美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

天年堂「空海」「松林」

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香舗 天年堂

松林(しょうりん) ミニ寸 - 香舗 天年堂

お香 寧(空海) - 香舗 天年堂

天年堂さんの製品は2009年に閉店した久留米井筒屋で取り扱いがあり、そのころにいくつか購入した記憶があります。当時、日香や孔官堂、大発といった明るめの調香が多い会社の製品がお気に入りで、天年堂の製品にはどこか松栄堂の京線香にも似た渋さを感じていました。

久留米井筒屋閉店後、久留米岩田屋新館でも取り扱っているのはみていましたが、なかなか線香をあらたに買うほど消費がすすまず、ずっと見逃してきました。

この国分町にあるお店も、自分が知っていたころの場所とは少し違います。以前は南久留米駅サンリブのあたりだったのですが、5年前に移転したとのこと。

今回は、伯父宅にどなたかがお供えされていた「松林」と、お試しサイズの「空海」を買い求めました。

空海」は、以前にも感じたのですが、天然香料と、どこか化粧品を思わせる香りが混じりあい、そのなかから沈香のよい香りがふわっと立ち現れます。おそらく最初に感じるのは合成香料なのでしょうが、日香も松栄堂さんもふつうに使っているものですから、とくに目くじらをたてることはしません。面白いことにマイルドな香りに様々な変化があり、ずっと楽しめます。おそらく松栄堂さんの京線香シリーズなどを好まれる向きには、よいかもしれません。

或る意味、久留米という街のイメージには似合わない都の香りとでも言いましょうか。もともと有馬のお殿様が丹波福知山から入府した際に御用商人としてともにやってきた家柄とのことで、センスが違うのかもしれません。

「松林」のほうはだいぶ大人しめの調香です。梅栄堂さんあたりの同価格帯だと、もっと漢薬が主張しまくるのですが、そのようなことはありません。甘めの沈香の香りがメインとなるよう、その他の香料が調整されています。そのため、どこか薄い印象をうけがちですが、沈香そのものの香りがよいため、お得感があります。

日香さんの化粧品っぽい合成香料で補強された甘い沈香の香りよりかは、きりりとしています。この辺りも、京都に本店がある松栄堂さんや山田松さんの線香に近いと感じます。

個人的には「空海」より「松林」ですが、華やかさを喜ぶ向きだとまた違う評価になるかもしれません。