美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

梅栄堂「特撰聚香國」

特選聚香國短寸平型バラ

特選聚香國短寸平型バラ

 

 

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梅栄堂の製品は赤貧は苦手なほうなのですが、「通」は喜ぶひとが多いのも事実です。「これが判るようになったら一人前」という基準として語られることも多く、そういうものなのかともおもうし、その風潮に反発もしてきました。
特撰好文木に関しては、やはり梅栄堂の製品は苦手、という感じだったのですが「もっとグレードの高い製品を試すべし」という声を知人にいただき、「特撰聚香國」を試してみることにしました。
特撰好文木と、火をつけるまえの香りは大差ありません。上匂いの漢薬の匂いが、どうも寺くささを感じさせます。
ところが、火をつけてしばらくすると、広がる香りはほんとうにまろやかです。特撰好文木では感じなかった、沈香そのものの甘く厚みのある香りも、立ちこめてきます。沈香の香りが厚いため、漢薬由来のするどい香りだけが表に立つことがありません。梅栄堂さんの線香で感じる寺のにおいもあり、じつに豊かです。こういう香りがあったのですね……。
値段が値段とはいえ、これだけの香りはなかなかないと感じました。苦手な系統の香りではあるのですが、このクラスなら、黙って楽しめる製品です。
仏壇店やお香のお店で、店内の香りとして使うケースが多いという話も、さもありなん、という感じです。