日本香堂「花の花」や松栄堂「花世界」に通じる香水線香系の香りです。非常にほのかな香りづけとなっている点に特徴があります。花の花や花世界同様、合成香料を支えるベースは白檀です。このテの香水線香は遠くからでもわかるほど匂いがどぎつい傾向があるのですが、この商品はそのようなことはありません。
この香水線香というのは明治時代の発明らしいのですが、それにしてもいろんなところが作っています。いまよりも盗用の敷居がひくかったとも言えるし、それだけ爆発的に流行したともいえるのでしょうが……。日常使いとして、控えめに調香された香りもまたひとつのバリエーションではあるのですが、納得のゆく趣をもっています。