松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年3月13日(水)の日録。

そんなに昔からの梅干しが愛されているような気がしないのですけどね。

今、漬物業界が危機に瀕している。食品衛生法改正に伴い、漬物製造が許可制となり、衛生基準を満たす施設などが必要になったことで、これまで全国各地の道の駅などに出品されてきた農家の人が自宅や作業場などで仕込んでいた手作り漬物の販売が難しくなるのだ。
改正法は’21年に施行。今年6月1日には経過措置期間の3年を終え、全面実施になる。

道の駅にある「農家の梅干し」が絶滅する日…日本各地の梅産地や梅文化が消滅の危機に | FRIDAYデジタル 

私は、梅干しは梅と赤しそが手にはいったときにまとめて作ります。マンションではさすがにできませんから、いとこ宅を借りてやります。そのまま現地に保管し、ときどき出来上がりをもらいに行き、漬け込みの状態を確認します。

いまは、塩分が高いというだけで漬物は嫌われます。

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今回は、梅ぼしです。6月なると梅は完熟し木から落ちて収穫されます。洗浄された梅は塩に漬けて1ヶ月おき、7月になると天日に干されます。樽に詰めて3ヶ月以上熟成させ、流水につけて脱塩した後、はちみつなどの調味液に3週間ほど漬け込んで出来上がります。

THE MAKING (185)梅ぼしができるまで - YouTube

もしほんとうに「どんなに塩分が高くてもむかしながらの味がよい」とみんな考えているなら、スーパーに「かつお梅」とか「はちみつ梅」とかの調味梅干しが並ぶわけがありません。

では何故「調味梅干」が増えたのか?その理由の1つには消費者の低塩、減塩志向にあるといいます。「塩分のとりすぎは健康に良くない」ということで、昔ながらの酸っぱい、しょっぱい梅干が敬遠されてしまうようになりました。本来は保存食であるはずの梅干しですが、塩分を低くすれば当然長期保存ができなくなります。調味梅干の多くは、塩漬けした白干の梅を水にさらすなどして脱塩し、添加物たっぷりの調味液に漬け込んで作られます。保存性を高めるために添加物を使用し、味をマイルドにするために様々な化学調味料を使っているのです。

何故、調味された梅干し「調味梅干」は増えたの? – 【Organic Recipe|オーガニックレシピ】

むかしながらの梅干しが売れない原因は、そもそも低塩・減塩にすると梅干しの保存や貯蔵が出来なくなることにあります。流水脱塩すれば旨味も抜けるので、その代わりに鰹節やはちみつで味をつけ直す必要がでてきます。

こうした減塩の推奨は医学関連の学会や厚生労働省だけでなく、都道府県など地方自治体、食品業界にも広がっている。長野県は1960年代から県民に減塩を呼び掛けたことが一因となって平均寿命が延びたと評価されている。これを参考に青森県は“脱・短命県”を目指して、塩分を減らして出汁で味をつける食生活のプロジェクトを進めている。また減塩をうたった味噌・醤油が開発・販売されたり、食酢メーカーが塩を減らして酢を活用することをアピールしたりしている。

塩 - Wikipedia

残念ですがすでに1960年代には、昔ながらの梅干しをはじめ塩分のおおい食事を「目の敵」とする風潮があったわけです。なんせ味噌汁すら塩分が多いと目の敵にされていました。

伝統芸能として作りかたは伝承されていくべきかもしれませんが、実需が減っているのだから、あまり煽りすぎるのもどうかと思うのですけどね……。

 

13日の記録。

マンションの駐車場に、いずれ電気自動車の充電器を設置するまで花壇として利用している場所があります。いつのまにか桃の花が咲いていました。