松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

飯塚市高倉 日吉神社


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嘉穂郡庄内町(現飯塚市)の入水地区、筒野地区、高倉地区に日吉神社が鎮座しています。隣接する3つの地区(大字)の村社がいずれも日吉神社(日吉宮)というのは、地図でざっと眺めていても目立つものです。何故こうなるかといえば、この地域に住んでいた人々が、大山咋(大物主)を奉斎する一族だったからにほかなりません。ほかにも、嘉麻市下山田地区、上臼井地区、下臼井地区にも日吉神社があり、地図を見ていただければわかりますが、相当な広がりを持っていたことがわかります。

この高倉地区の日吉宮は大山祗を祭神とする旨、福岡県神社誌に記載がありますが、なんらかの誤植でしょう。

そして、大山咋(大物主)が権力基盤としたのは、妃 玉依姫の血統でした。玉依姫の父 海神 豊玉彦八咫烏(やたがらす)として祀る加茂神社が京都にあることに気づくと、この旧嘉穂郡庄内町の入水・筒野・高倉の西側に嘉麻市生地区があることも、どうやら関連があるらしいとみえてくるのです。

むろん、彼ら一族にとって拠点のひとつに過ぎなかったかもしれませんが……。

社殿向かって左側に、複数の石祠や石碑が並んでいます。「須佐神社 天満宮」とあり、これがどうやら福岡県神社誌にある金村神社のようです。だがそうなると、大山祗(月読命)と罔象女神(みずはのめ)の親子がどこに行ったかがわかりません。もしかすると、大山祗と罔象女神への祭祀が、日吉神社で上書きされているのか?とも思えてしまいます。

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ちくしの散歩 - 筑紫野市ホームページ

筑前竹槍一揆 - 志免町ホームページ

この神社には、もうひとつ(一般的にははるかにこちらのほうが重要な)側面があります。

筑前竹槍一揆はここから起こりました。こんな数十軒もない地区(集落?)から、数十万人規模の一揆が広がっていくとは……。果たして今の私たちにこれだけの力があるだろうか……。思わず案内板を読みながら、考えてしまいました。

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福岡県神社誌:上巻348頁
[社名(御祭神)]日吉神社(大山祗命)
[社格]村社
[住所]嘉穂郡庄内村大字高倉字上屋敷
[境内社(御祭神)]須賀神社素戔嗚命)、金村神社(菅原神、罔象女神、大山祗命)
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(2020.06.28訪問)