美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

田川郡大任町大行事 安永神社


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社頭の鳥居の横に、立派な由緒を記した石碑があるのですが、画像を確認するとやはり石に彫られた文字は読みにくいため、境内に立てかけられていた案内板(同一文章です)のほうを掲載します。

もともとは八大龍王宮と称していたとあり、ここが海神 豊玉彦(豊国主、思兼命、豊前坊とも)を祀る神社だったことがわかります。ほかの祭神の顔ぶれは、豊玉彦の妃 罔象女神(みずはのめ)にその父 大山祗命(=月読命)とありますから、ほぼ原型に近い配神が残っているともいえます。

ひとつ気になるのは、高高淤加美神(たかおかみ)と闇淤加美神(くらおかみ)、そして武甕槌神(たけみかづち:天之忍穂耳の別名)が祭神とされている点でしょうか。八大龍王社を名乗る神社で闇淤加美神を祀る神社が複数存在します。高高淤加美神闇淤加美神は、天之忍穂耳の両親ですから、豊玉彦と妃 罔象女神の海神・龍神・水神夫妻の子 八心大市比古(やごころおおいちひこ)の記憶は薄れ、いつしか現王朝の祖に取って代わられたという構図もまた、見えてくるのです。

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社殿向かって左脇に境内社がまとめられていました。これがおそらく、稲荷社・須佐社(祇園社)・そして合祀される前の水神社なのでしょう。

八大龍王社と名乗っていませんが、元々の原型と、その後の移り変わりの両方がわかる、貴重な神社です。

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古い社殿の鬼瓦が保存されていました。三階菱紋は小笠原藩の造営でみかけるものですからとりあえず置くとして、鷹の羽紋が打たれているのが見えます。これもまた、過去の上書きの形跡と言えないでしょうか。

福岡県神社誌:下巻207頁
[社名(御祭神)]安永神社(別雷神、高高淤加美神闇淤加美神、闇罔象女神、闇山祇神、大山祗神軻遇突智神武甕槌神、八雷神、罔象女神
[社格]村社
[住所]田川郡大任村大字大行事字丸岡山
[境内社(御祭神)]須佐神社素戔嗚尊)、稲荷神社(保食神
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2021.03.06訪問)