松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

山口県下関市彦島迫町5丁目 彦島八幡宮

過去に「神社めぐり」に掲載するため作成した文章です。現在ではリンク切れとなっている箇所や、すでに情報が古い部分もありますが、再取材はせず当時のまま掲載します(注記:2024.08.25)


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彦島八幡宮(公式ホームページ)

今回はじめて訪問しました。失礼ながらこんな立派な神社とおもわず、おもわず鳥居を見上げます。

私が鳥居から楼門に抜ける道を周囲を見回しながら歩いていると、背後から車がやってきました。どうやらこの広い境内、駐車場としてつかわれているようです。私が訪問させていただいたあいだも、数台の車がやってきます。

彦島八幡宮略記
御祭神 仲哀天皇
    應神天皇
    神功皇后
    仁徳天皇
当八幡宮は平治元年十月本島開拓の主祖河野通次人皇五十一代平城天皇の子孫三位中将大江政房の嫡子豫州伊豫の國勝山城主で後白河天皇の御代保元の乱に敗退一黨を率い保元二年来島自ら祭主となり宇佐神宮より勧請祭祀せられたものであります一名灘八幡と言った丈に宮の沖合を通過する船は必ず「半帆」の礼をとったと言われる事から造船漁業関係者の崇敬が厚く又安産の神として別名子安八幡宮と崇められ御霊験あらたかな神様であります
尚秋の大祭には八百年伝来の無形文化財「サイ上り神事」があり由緒の深さを示しております

主なる祭日
一、一月一日  元旦祭 
一、二月    節分祭
一、二月十一日 建國祭
一、二月十七日 祈年祭
一、四月十四日 春祭
一、七月三十日 夏越祭
一、十月十七日 神嘗祭
一、十月二十一日 例大祭(サイ上リ神事)
一、十一月十五日 七五三祭
一、十一月二十三日 新嘗祭

1159年(平治元年)10月に彦島開拓の祖・河野通次が、海中から八幡菩薩が刻まれた銅鏡(御正体・懸仏)としての御神体を引き上げ、それを祠に祀って宇佐神宮から勧請したのが創始とされる。10月の秋の例大祭で行われる860余年の伝統を持つ下関市無形民俗文化財「サイ上リ神事」では、その場面が再現される。4代後の道久の代である1349年(正平4年)に現在地へと遷座した。

彦島八幡宮 - Wikipedia

現地案内板とwikiによれば、保元の乱に敗れ1157年(保元2年)に来島した彦島開拓の祖 河野通次により、1159年(平治元年)に宇佐八幡を勧請して建立されたことがわかります。

するとこの神社のあちこちにあるこの御神紋、丸に剣三ツ星紋は、創建した河野氏由来の紋章でしょうか。案内板のとおりだと、平城天皇の子孫大江匡房の嫡子が伊予勝山城主で彦島に来島した河野通次ということになり、大江氏と河野氏の一般的な理解とはだいぶかけ離れます。大江匡房のひ孫が大江広元、言わずと知れた毛利家の祖先です。

毛利家といえば毛利元就で、家紋は一文字三つ星。河野氏は毛利家と縁戚関係となり水軍で活躍しますから、関係性の深さを強調するための「元をたどれば同族」という創作ではないか?という気もします。

社殿の立派さもさることながら、境内の清掃が隅々まで行き届いています。足跡をつけるのが怖くなるほどです。

すでに1,000社以上訪問させていただきましたが、福岡の某旧官幣社なんてひとのとおる場所以外は手抜きまくりでした。奉仕のかたがやってもやっても追いつかなくてゴミがあるのと、奉仕のかたが日ごろからやってないのはあきらかに空気が違います。

ここまで出来ている神社は、そうそうあるものではありません。道理で、お宮の空気がちがうわけです。

立派な楼門が目をひきます。

モダンな狛犬さんにも目をうばわれます。

境内を歩いていて気づいたのですが、正面向かって左は回廊がぐるりとまわっていますが、右は途切れています。

境内案内図

神社は、両翼の部分が回廊であり、正面向かって左側の建物は会議室や社務所としています。尾張造のようなシンメトリーという理解ではないようです。

社殿正面右手には、仁徳天皇を祀る若宮神社と水神社があります。

そして社殿正面向かって左側に、大歳神社。

彦島八幡宮境内にぺトログラフのある神霊石が、安置されたのは、昭和57年5月の事である。
もともと境内にあるものが発見されたのではなく、運び込まれたものである。

(略)

彦島江ノ浦町6丁目の三菱重工業(株)下関造船所のドックと巌流島の海底を、いつも移動している岩があり、進水式のたびにその岩が、泳いで来て邪魔をするので、「あの泳ぐ岩は何かの神霊(しんれい)の宿るものだ。祟り(たたり)のないよう引き上げてほしい。」という事になり、昭和57年4月に境内に安置された。 

ペトログラフ|彦島八幡宮(公式ホームページ)

大歳神社のまえにいくつかの石があり、ホームページの紹介文とあわせて読むと、画像左側の石が「泳ぐ岩」のようです。石が動くというのもなかなかありえないことで、不思議なことがあるものだとおもってしまいます。

(2023.03.28訪問)
 
訪問当日の様子はこちらに掲載しています。

2023年3月28日の日録 - 美風庵だより