大きい地図・ルート検索 ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )
社殿そのものは小さいのですが、福岡県神社誌では御祭神がてんこ盛りです。どうやら、近隣の神社をあれこれ併合した結果のようです。
いつものようにgoogleレンズのOCR機能で文字化しようとしたのですが、筆文字で旧かなづかいのため、上手くいきません。
要点を示すと
- 朝鮮からの朝貢船がやってくる船着場「高麗入江(こまいりえ)」が、小森江(こもりえ)といういまの地名の元となった。
- この地に住む住人のもともとの祭神は大山祇神である。
- 疫病の流行に困った住民は、スサノオさんを祀る天疫神社を創建し、相殿に祀ることにした。
といった点でしょうか。
参道途中に、お稲荷さんがあります。
この羽山神社が取り上げられるとき、よく話題になるのがこの「門司メタル守護神」です。もとは「神鋼守護神」といいました。
鳥居は銅製です。「メタル?」と、神社の社号に横文字がはいっているためビックリしてしまいますが、これ、元々は神戸製鋼所門司工場の企業神社で、どういう経緯かは存じませんが、地元住民の羽山神社といっしょに、ここに鎮座しているのです。
銅の鳥居なのも、門司工場が伸銅製品の工場、はやい話、銅パイプや銅線、銅棒製品の工場だったことに由来します。
1917年
艦船ボイラ、産業諸機械の国産化に伴う伸銅工場として、(株)神戸製鋼所門司工場を新設
1988年
神戸製鋼から分離し、門司伸管工業(株)と統合。名称変更して神鋼メタルプロダクツ(株)として発足
2022年
株式が神戸製鋼所・奥田金属から丸の内キャピタルに譲渡され門司メタルプロダクツ(株)として発足
いまは神戸製鋼所が銅製品事業から撤退して、門司メタルプロダクツと社名を変更しています。
⑦神戸製鋼所門司工場(現・神鋼メタルプロダクツ)|大里(門司)|地域特集|鈴木商店のあゆみ|鈴木商店記念館
大正6(1917)年門司小森江に非鉄金属の工場として設立したのが同門司工場である。
設立当初は銅や黄銅の伸線工場として、また後に金子の助言に従う形でアルミニウムやマグネシウムの合金鋳物の国産化にも成功し、アルミニウムの需要拡大に伴い対岸の下関長府での工場建設にも繋がった。
ということは、この企業神社の創建は、門司工場が創業した1917年以降なのはたしかでしょう。
なお現在の銅の鳥居は、1999年7月建立です。
ノストラダムスの大予言ですね……(古い?)。
福岡県神社誌:下巻450頁
[社名(御祭神)]羽山社(淤騰山津見神、大山津見神、羽山津見神、志芸山津見神、櫛名田毘売神、須佐之男神、天之忍穂耳命、天之菩卑命、天津日子根命、活津日子根命、熊野久須毘命、多紀理毘売命、市寸島毘売命、多紀都毘売命、大穴牟遅命、金山毘古神、豊日別命、猿田毘古命、高淤加美神、闇淤加美神、彌都波能売神、雅彦売神、宇迦之御魂神)
[社格]無格社
[住所]門司市大字小森江字ツワ尾
[由緒]記載なし。
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2022.08.07訪問)