松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

兵庫県神戸市中央区二宮町3丁目 二宮神社


大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )

神戸八社巡り

神戸市街地の生田神社の氏子地に「一」から「八」までの番号のついた神社があり、生田神社の裔社と呼ばれていました。八つの社にはそれぞれ、天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔鳴尊(すさのおのみこと)が検玉を交換して生まれた三柱の女神と五柱の男神が祭られており、それぞれ一宮は北野村、二宮は生田村ときに葺屋荘全体、三宮は神戸村、四宮は花隈村、五宮は奥平野村、六宮は坂本村、七宮は兵庫津北浜、八宮は坂本村で鎮守として信仰されていました。

神戸八社巡り ニ宮神社

当社の御祭神は、天照大御神が素盞鳴尊と剣玉を交換した誓約の際にお生まれになった五男神の一柱で、天照大御神の御命令で、日本国の農作物がよく出来るように努力された神であり、神功皇后の三韓からの帰途、巡拝された一社で、葺合の荘の総氏神であります。現在、中央区の各所におまつりされている八幡神社は、当社の御分霊神であります。

御祭神は天之忍穂耳とされています。

「葺合」というと、どうしても私のような神社マニアは鵜葺草葺不合命(うがやふきあえず)を思い出してしまいます。鵜葺草葺不合命は、山幸彦と豊玉姫の子で、玉垂宮神秘書では初代住吉大明神とされています。

生まれる前に小屋の屋根をふくのが間に合わなかったから鵜葺草葺不合命なわけで、葺合という地名には、鵜葺草葺不合命のライバルが示されていると考えてよいでしょう。

すると思い浮かぶのは、大山咋(大物主)で、彼の子が崇神天皇であり、孫が応神天皇であるというのが、私の理解です。

大山咋の父は天之忍穂耳で、母は市杵島姫命であると考えれば、二宮神社が天之忍穂耳を祀るとしているのも、わからなくはありません。ただ、この地域の八幡神の元宮という点を考えるなら、実際には崇神天皇か大山咋が御祭神なのではないかと推測します。

境内にはお稲荷さんがあります。江戸時代に伏見稲荷から勧請をうけたとのことで、神社周辺にひろがる花街から崇敬があつかったとのことでした。

二宮神社/椋白龍社 | 龍神伝説アーカイブス

この神社には、昭和30年(1955年)に創建された、白龍大神を祭神とする椋白龍社(むくのきはくりゅうしゃ)があり、多くの祈祷師や風水師がこの神社を訪れ、現在では、全国各地の信奉者より聖地と崇められています。
というのも、この社が建てられたのは、二宮神社の鬼門を守る白蛇が夢に現れ、「社を建て祀ってくれれば天界に昇り、龍となり人々の願いを叶えよう」という話が相次いで神社に寄せられこと、そして、時を同じくして、参拝者から椋の木に白蛇がいたという声が寄せられたこと、さらには、手水舎(ちょうずや)の改修工事の際、宮司や工事関係者の目前にも白蛇が現れたという不思議な出来事が続き、「これは夢にしたがうべき」として建てられた歴史にもあります。

中に入ってなにげにお参りしましたが、どうやら祈祷師などそういう系統のかたのパワースポットだったようです。清掃が行き届いて空気がよいとは感じましたが、そういう場所だったのですね……。

(2022.05.14訪問)