松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

外貨預金が人気?(@_@)冗談キツイよ

この日記は投資について語っていますが基本的にはあてになりません。ご了解いただいたうえでお読みください。

24年ぶりの円安局面で注目度アップ 「外貨預金」の仕組みと手数料・税金の注意点(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース

9/25(日) 16:15配信

2022年初頭から急速に円安・ドル高が進行中で、9月22日には一時1ドル=145円台をつけるなど、24年ぶりの円安水準となっている。日本円に比べて外貨の価値が高まっている中で、資産を外貨で保有すべく「外貨預金」の人気も高まっている

この円安のなか、外貨預金が人気だそうです。

いつの時代も客を煽るため、円高になれば「人気」、円安になっても「人気」と書くものです。読み飛ばしていたのですが、どうもほんとうに客が殺到しているようで、こんな罪作りな記事を配信する小学館もどうかとおもい、コメントしておくことにします。

円ドル相場の日足・週足チャートです。

見比べるとわかりますが、145円が壁になっています。

政府・日銀は為替介入を実施~その効果について考える | 三井住友DSアセットマネジメント

政府・日銀は9月22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなるドル売り・円買いの為替介入に踏み切りました。この日は午後3時半から日銀の黒田東彦総裁の記者会見が行われましたが、金融緩和維持の強い姿勢が確認されたことで、ドル円は午後4時頃に1ドル=145円90銭近くまでドル高・円安が進行しました(図表1)。為替介入はこれを受け、午後5時頃に実施された模様で、その後は140円35銭付近までドル安・円高が進みました。 

【速報】24年ぶりの円買いドル売り為替介入は 過去最大の2.8兆円 財務省が金額を公表(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース

24年ぶりとなった円買いドル売りの為替介入の規模は過去最大となるおよそ2.8兆円でした。

9月22日、金融緩和継続を日銀総裁が表明してから円安がさらにすすみ、「およそ2.8兆円」の為替介入で約5円、円高となります。

つまり、毎日チャートに注目していれば、どうやら、日本国は140円~145円が防衛線だとかんがえているふしがあるわけです。

外貨預金は、円がつよい(円高)ときに外貨で預金し、円安になったら差益を受け取るのが基本です。

春前のドル円が100円~110円台のころに外貨預金をしたひとたちが140円でウハウハとなり、他人が儲かるのをみて押しかけている状況は、簡単に予想できます。

100/140だから、1ドルあたりの価値は71%。円からみれば約3割増えたことになります。

問題は、日本国が145円の攻防戦をやっていることで、さらなる円安に至るとは、かんがえにくい情勢です。

むろん、なにごとも予測不可能です。ウクライナ紛争の戦線拡大や台湾有事への飛び火で制御不能になる可能性もありますし(日本国はながねん軍事力をなめてきましたから、領土にミサイル一発落ちたら、社会不安でほぼ壊滅するでしょう)、日本国の弾切れ・協調介入を欧米から断られ自滅という可能性もあります。

ただ、ほんとうにそこまで最悪に備えるのであれば、銀行に外貨預金するより、すぐ定期預金を解約して米ドル現物を入手したほうが確実です。手数料に目をつむればそれこそ質屋でも外貨両替はやっています。いくら預金保険だセーフティネットだといっても、どっかの銀行が1つ倒産するのと規模がちがいます。「すぐ欲しい」「いま欲しい」には応えらえれない可能性も、考慮せねばなりません。

これはほんとうに最悪の事態で、あるとするなら小説とドラマのなか。

たぶん、私や読者さんが明日交通事故で死ぬ確率より、はるかに低いはずです。

尚早な利下げに警告、高インフレ受け=ブレイナードFRB副議長(ロイター) - Yahoo!ニュース

米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード副議長は30日、高インフレを抑制するため、当面は高水準の金利を維持する必要があり、時期尚早な利下げを行わないように注意しなければならないと述べた。

徹底的なインフレ退治のため利下げはとうめん行わないという主張は、インフレ退治が終わったら(投資家のお望みどおり)利下げします、という意味でもあります。

日本国が145円を防衛線とし、さらなる円安は望み薄。

利子配当をもらいつつ辛抱しているうちに、各国の政策金利が下がりはじめ、円安から円高へ。元金についた利息配当でプラスで解約できるひとはラッキーですが、下手するとほとんどが銀行をもうけさせただけで終わる可能性があります。

他人が爆益で羽振りがよくなったから、周回遅れで2匹目3匹目のどじょうをねらうのは、あまりに危険です。

これ、FXでもきほんは同じことです。スワップポイントは円と外貨の金利差に、FX事業者(と背後の為替ディーラー)の手数料をさっぴいたものなので、実質、スワップポイント(=利子配当)ねらいで買い建てすれば、外貨預金と同じリスクをかかえます。

すべて消去法でリスクを消していくと、世界の主要国で政策金利の利上げをしていない2国、つまり日本円とトルコリラの組み合わせが、まだなんとか耐えられる組み合わせで、ほかはいずれ円高になったら目も当てられません。

トルコリラはトルコの企業個人ですらドル建て決済が増えたジャンク通貨と化しており、一瞬ひるむでしょうが、どんなに下がっても0円以下にはならないので、下がりしろは7.8円しかありません。

逆にいえば、そういうところか、売り建てで介入下げに乗るか、介入で下がったところに指値をいれてハイレバで抜くかくらいしか芸はなく、毎日相場につきっきりの専業トレーダーでもないかぎり、こんなものは社会人が副業のつもりで手を出せません。

はい。長々と書きましたが、なにを言いたいかというと。

外貨預金で爆儲けしたSNSやブログの投稿をみて憧れ、2匹目3匹目のどじょうをねらう知人友人家族があなたの周囲に居たとします。そのひとを失っては困るなら、傷害罪覚悟で、殴ってでもいまは止めなさい、ということです。

なお、顔も見たくない奴だからとすすめてはいけません。

下手すると刺されます(笑)

しかし、小学館とヤフーニュースの配信日時をご覧ください。

9月25日。

日本国が2.8兆円で5円動かしたあとです。

なんの冗談でしょうか?

良心はないのか小学館!