松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

独り勝ちか。からゆきさんか。

以下、完全なグチです。アホがハイボールとかまぼこで酔って妙なことを書いていると本気にしないでください。

ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた | 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

円安が1ドル=145円にタッチしそうなまでに進み、世間では「日本経済は終わった」「この世の終わりだ」といったような雰囲気になっている。ある月刊誌などは「日本ひとり負けの真犯人は誰か」などという特集まで組んでいる。
180度逆だ。ついに「日本がひとり勝ちするとき」がやってきたのだ。
当然だ。説明しよう。

いつも拝読しているブログで紹介されていました。

 

東洋経済は定期購読していますから、とうぜん読者IDももっています。

なんかアホが書いてるなぁと読み飛ばしていたのですが、あらためて紹介されているので、読むべき価値があるものだと思いなおし、もういっかい読んでみました。

 

だめです。ついていけません。独り勝ちねぇ……。

 

そもそものおさらいですが、日米貿易摩擦のころ、まず貿易赤字の問題があって、海外生産に移行しました。ホンダも日産も海外に出て、トヨタがしぶってたらGMと合弁組まなきゃいけないところまで追い込まれた時代です。ヌーミーですね。

私が小学生でした。1984年です。曾祖父から新聞片手に講釈きいてました。

その約20年後、円高基調どころか過度の円高がすすみます。民主党が相場介入堂々と国会で答弁しちゃったころです。当時、円高で安い労働力をもとめて海外生産に移行しました。線香屋やろうそく屋さん、はたまた仏壇屋から筆屋まで、私の知ってる業種もみんな海外生産にシフトしました。

このことからわかるとおり、政治的な都合や人件費の問題があって行ったわけで、海外スキスキだからみんな行ったわけではありません。

このメンタリティは現在もかわりませんから、基本的には円安が進めば国内回帰に向かいます。

むろん、海外生産しないと関税で叩かれるものは、とうぜん残りますが。

 

中国の法制度は基本的に、日本でいう「通達」「行政指導」の範囲がでかく、しかも強大。

これ、仏教といっしょに日本にも律令制度が伝来しましたが、あのメンタリティそのまんま。もうあれは彼らのDNAなんです。日本みたいな元衛星国ですら(「年号」は一般利用を停止するべき)、いまだに官僚制の腐敗だ、上級国民えらそうにするな、市場に役人が介入するなって騒いでますけど、あれの本場。本家本元。

欧米発祥の資本主義のルールとそれを動かすための法制度は、対等の主体間の行動ルールを定めたものです。だから、根幹をいじることはまずやらないし、できない。

契約したらなにがなんでも相手が守るのが前提。

民法も刑法も法改正毎年のようにやってるけど、基本が大幅にかわることはありません。

ところが、中国は実質律令制国家だから、官僚が統治する道具が法律。下々、ましてや外国人が対等に口をきく?は?我々党官僚様に馬鹿じゃね?という世界。目上・目下にこだわる。学歴党歴社歴社会の本場。

 

日本はたまたま明治維新で、寺子屋ぶっ壊して江戸時代の通用書体(御家流行書)の指導を禁止し、日下部鳴鶴門下の楷書に切り替え、変体仮名を整理してふるい文献を読めないようにして、神道もいわゆる復古神道・国家神道で大改造した。

過去をどんどん切り捨てて脱亜入欧に走った特殊環境が日本で、中共みたいに過去の連続性のなかで生きていません。おかげで古い文書を読むために変体仮名や行書の特訓しなきゃなりません。やれやれ。中共が過去の断絶のため簡体字政策やりましたね。おなじことです。

ただ、王政復古の大号令というだけあって、当初のモデルが律令制国家の統治機構 官僚制だったから、中途半端に官僚制が復活し「通達」「行政指導」で役人の介入する余地を残してしまった。アメリカやソ連みたいに政権が入れ替わったら高級官僚総入れ替えの国にはない、役人天国の登場。

そう考えると、中共に残る中国史的な律令制や官僚制を、欧米諸国よりもはるかに理解しやすいはずなんだけど、脱亜入欧が染みわたりすぎて(とくにビジネスマン)、彼らを理解するより違和感をかんじるひとのほうが、多くなってます。

 

ただ、ほんとうにすごい円安になった場合、国内で働くより海外のほうが賃金が高いということがありうる。

うちの近所でも戦前、アメリカ移民や南米移民、満蒙移民の話はよくあります。

2世3世が帰国して先祖の生まれた場所を知りたいというから案内したこともあります。これを「からゆきさん」なんて言ったりしますね。この場合の「から」は「唐」ですが、外人居留地を唐人町というように、外人の総称でもあります。

のちにフィリピンからやってくるひとを「じゃぱゆきさん」って俗称してましたが、あれの元ネタです。

 

つまり、どこで円安が止まるか加減の問題です。

これはもう、わからない。

なんせ軍事費増額のために金融所得課税、法人税の強化を検討するって言ってるし、そもそも社会保障費は今年もぶっちぎり。償還が来た国債は利息つけなきゃいけないし、赤字国債をなんとかしたけりゃ、カネを刷ってインフレにするしかない。

とにかくカネがないので税金をむしるしかないのだけれど、税金をむしるほどお金をつかわなくなる。クロヨンを問題視して、捕捉率のよくない業種、たとえば株券電子化とか特定口座で源泉徴収徹底とか、あれこれ収奪体制ととのえてみた結果、「働いたら負け」「扶養の範囲でバイトすりゃOK」がまかりとおるようになってしまった。

 

行き詰ってますね……。

 

こういう煽りでご飯をくっているかたの真似は書きたくないんだけど、どうも年々きな臭くなっているような……。