空模様と送信所
今日も福岡市内の現場です。まず、呉服町の事務所に立ち寄るため、博多駅行の路線バスに乗りました。
台風11号が近づいているせいか、曇り空です。しかも南から湿った風をはこんでくるため、ぬるくてじめじめでたまりません。
これまで甘木で焼鳥屋を営業されていたかたが、コロナの影響でずいぶんと客が減り、おもいきって人口増加中の福岡市東区の和白で新しい店をはじめることとなりました。
移転祝に花輪を送るという話があり、内装工事の出来具合やオープンの日付などを訊いてこいとのことで、途中、時間をみて和白に顔を出しました。
西鉄和白駅から歩いて5分ほどのところに、和白干潟があります。
ここにむかしからRKB毎日放送という地元ラジオ局の送信塔がありまして、みてのとおり、海面に建っています。
広角レンズに切り替え、全景をもう一枚撮影してみました。
福岡市と周辺をカバーするAM主幹送信所。海に面しており、特にRKBラジオは接地抵抗の低い海面上に送信所が置かれている。
接地アンテナ 放射効率 接地抵抗 放射抵抗 導体抵抗 深堀接地 カウンターポイズ - 1アマの無線工学 R12年04月期 A-19
文字通り、深く(数m)掘って銅板や銅棒などの電極を埋め込むことです。また、常に湿り気を保たせるようにしておくと効果的です。電極を埋め戻す際、木炭片や接地抵抗低減剤を入れて、より低抵抗になるようにすることもあります。
テレビのアンテナ塔は、電波が届くよう高い位置にあります。ああいうのばかりみていると不思議におもえますが、これはこれで理想に近い場所に建っているわけです。よく探し当てたというか……、ひらめいたというか……。
少し歩いて、人工島(アイランドシティ)や干潟、その向こうの香椎・香住ケ丘がわかりやすい場所を撮影してみました。
あまり遅くなると電車やバスが停まってしまう可能性があるため、知人事務所滞在を13時過ぎで切り上げ、甘木に帰宅しました。
スイス政府編「民間防衛」
われわれが遺産として残すこの家の屋根の下でわれわれの子孫が満足する生活をおくれるようにするためには、みんながこの家を、常に、より人間的なものにするよう働く必要がある。
常に祖国を建設する必要がある。未来は現在においてつくられるのだ。進むことは人生の条件そのものである。
未来の家を建てるために、心を合わせて働こう。
国家の価値は、国民の能力に比例する。制度や法律も、寛大で、信念を持った国民によって運用されるのでなければ、何の役にも立たない。利己主義は、破壊と頽廃に導く主義である。
おのれの国に奉仕するのは、戦争という大きな危険が訪れたときだけではない。何も、武器を手にしてのみ国家のために闘うわけではない。われわれ各自が、その考えと、その心を、国家の役に立てねばならぬ。
備蓄に際しては、品物を小さな包みの形にして、内容と買い入れた月日をはっきり書いておけば、備蓄したものを補充したり、あるいは古い順に選び出して使う場合に、便利で都合がいい。備蓄しておくときの置き場所も問題である。それぞれの品物を使いやすいように整理しておくことも必要だし、たとえ住居が小さくても、ちょっと工夫すれば、壁ぎわに立てた箱、戸袋の羽目板、部屋の隅などを利用して、品物を貯えることができる。
どのページもえらく時代かかった表現だなとおもっていたら、配布されたのが1969年で、この日本語版が最初に出版されたのが1970年とのこと。
1969年というと、アポロ11号が月着陸した年です。
冷戦真っただなかではありませんか。そういう時代背景があっての、この本なのですね。
いまやスイスを囲む国はすべてEUに加盟し、東西冷戦もなくなって、スイス本国ではまったく過去の遺物と化しているとのこと。
「民間防衛」時代を間違えた危機管理マニュアル - SWI swissinfo.ch
「スイス民間防衛」日本で売れ続ける理由 - SWI swissinfo.ch
「Zivilverteidigung(民間防衛)」は1969年9月、連邦内閣の委託を受け、司法警察省がスイス国内の全世帯に無料配布した。その目的は主に2つ。国民に武力攻撃から身を守る備えをさせること。そしてもう1つは、国内に潜む共産勢力への警戒を高めることだった。
(略)
日本では1970年、「民間防衛」の翻訳版が原書房(東京都)から出版された。
報道では「(本国で若いひとは知らない化石が)日本では(日本語版が)ロングセラー化しているのがかなり奇妙にみえる」ようです。このあたり、すでに周囲から実質的に敵がいなくなった国と、中共とアメリカがいつ台湾政府(中華民国)を舞台にドンパチはじめるかの違いというものでしょうが……。