美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

8月31日の日録

「【新装版】危機の構造―日本社会崩壊のモデル」

中国原論」をほっぽらかして、橋爪大三郎さんが「危機の構造」に寄せた解説文だけさきに読んでみた。

そうか。そう理解しないといけなかったのか。

台湾情勢がきな臭くなって、やたら台湾に肩入れする論調をよくみかけるようになった。ひどいのになると、アベベのように日米同盟だから自衛隊も加勢に行くくらいのことを言い出す。

アメリカが挑発して中共がのってくれば成功だし、失敗しても中共を腰抜け扱いできる。こんな見え透いた覇権闘争なんて勝手に外でやってもらえばいい。頭のうえにミサイルが飛ぼうと爆撃機が飛ぼうと、とにかくしゃがみこんで自分が損害をうけないようにすればいい、日本も個人も、せっせと我が身を守っていっさい関わるべきではないとかんがえていた。

このかんがえは、この日記をたまにでも読んでいるかたなら、すでにお気づきのとおり(だとおもう)。

ところが、どうも世間の一部はそうではないらしい。勝敗が決してから勝者に朝貢してしがみつけばいいのに、下手するといまから中共につくか、アメリカにつくかとやかましい。産経とかいう安いだけが取り柄の新聞がまさにそう。さすがに読売・日経はまだそこまで至っていない。少しは冷静ということか。

なんでこんなことになったのか?とかんがえてみても、これがまたわからない。

橋爪大三郎さんの解説文を読んでいて、やっとそういうことか、と理解した。煽っているメディアやそれを読んで喜んでいるひとには、台湾有事をきっかけにして、失われた30年から脱出できるかもしれない、という希望があるのだ。とうとう主人と対等の「同盟国」になれる好機だと。

ふつうにかんがえれば自衛隊が加勢に行くったって、ウクライナ紛争で各国の記者が伝えたように、これは殺し合いに巻き込まれに行くこと。足りなくなれば自衛隊の損耗分をどうにかして埋めないといけない。戦前は徴兵検査して召集令状でかき集めたわけだけれど、そういう制度が自衛隊にあるか?ない。ロシアが徹底して報道統制を敷き、勝手にウクライナ紛争を報道した国内マスコミを逮捕したりしているのは、募兵しても補充が集まりにくくなっているから。報道では、家族や本人に渡るボーナス(入営祝金?)がめちゃくちゃハネ上がっていると聞く。国内で募兵するより北朝鮮からレンタルしたほうが安いので、その交渉すら行っているほど。

そんな状況でも、統制しても漏れるものは漏れていくし、気づいたものは、よりつかない。

自衛隊は軍備はそろっているが、本気で誰かが攻めてきて損耗戦になったときどうするか、まったくみえない。スイスのように、役所が各世帯に「武器をとって戦いたい者はこういう手続きをして、正規の軍隊に所属しろ。戦いたくない者は、こういう手続きをして捕虜となれ」と冊子を配ったりはしていない。攻めるどころか、攻められることすら想定していない。そんなアホな現状を放置し、なんの準備もせず、覚悟もせず、お祭りかなにかと勘違いして妙に一部が盛り上がっている。

○論」とか「日中国交正常化50周年記念事業を行うな」というキャンペーンをやってるし、立ち向かえないのに喧嘩売ってどうするんだとおもっていたが、どうも台湾有事を、好機とみているのだと、やっと理解できた。

8月29日の日録 - 美風庵だより

数日前、あるかたのコメント(ついたー)を読み、ひさしぶりボロカスに書いた。

知人はさすがに同世代なので意味がつうじたのだが、知人事務所などの若いひとは理解できなかったらしい。質問をだいぶいただいた。

この「政治主導」という小沢とその周辺が多用したキーワードの本質は、2009年の民主党政権誕生時に、岡田克也がつい記者会見で言った「高級官僚全員から進退伺をとりつける」の一言に集約されている。とうとうやるか?と期待していたら、国家公務員法にそんなことは書いていないと(なんと官僚だけでなく自民党から)反撃され、すぐひっこめた

(ああ、泥船だ。これは選挙による革命だったのに初手から失敗した。期待したほうが馬鹿だった。ダメだ)と私がかんがえたとおりになる。内紛が起き、大敗して下野し、なんと政敵だったアベベが2014年に内閣人事局を設置し「各省の幹部人事を首相官邸が一元的に掌握し、政治主導の行政運営を実現」してしまった。アイデアをちゃっかり横取りし、しかもスマートに実現され、細かい違いはあっても、ここで小沢の一丁目一番地は、失われた。

アベベは「悪夢の民主党政権」と連呼した。これ「腑抜けな連中にはできないことをおれはできた」という含意があり、選挙ですでにボロボロに負けた相手に対する弱い者いじめにすぎず、ああいうことが言える神経を疑った。その取り巻き(とくに産経)が礼賛し、まさにいじめっ子に従う腰巾着丸出し。ジャイアンにしがみつくスネ夫。みっともないったらありゃしない(笑)

当時「各省の人事を全て官僚に牛耳られては、政治家は官僚の傀儡となりかねない」から、政治主導にするんだと言っていた。逆から言えば「官僚を政治家の下僕にする」ための法制度だったわけで、その後の抜擢人事と忖度の横行。みるも無残な失敗ぶりは御存じのとおり。

小沢が頑張ろうと民主党がそのまま与党でありつづけようと、アベベが君臨しようと、誰がやっても、この手法による「政治主導」は崩壊・失敗したわけで、これ、二大政党制が実現すればまるく収まる話ではない。そもそもの射程が間違っていたとしか、いえない。

ところが、こういう政治主導は失敗だった、と書いた評論家をみた記憶がない。民主党が失敗したと書く評論家はいたが、じゃあアベベだったら成功?してないよね?

どうやってもなにをやってもダメなら社会そのものを組み替えるしかないのだが、その気力体力知力が、政治中枢にあるような気がしない。

面倒なことになりそうなのにそら恐ろしいことになったとおもったら、なんとゴルバチョフさんの訃報が。意味深。

朝のホットケーキと、散髪のときの雑談。

30日、散髪に行ったさい、理髪店の主人といろいろ話をしました。

お客さん待ちのあいだ、テレビをみていたら生活保護の家庭が「もう一品子供のためおかずが欲しい」とカメラに訴えていて、晩飯の様子が映し出されていたのが「我が家より豪勢だった。世のなかどうなってるんですか」とのこと。

私なんて、有期雇用契約を満了後、仕事があれば行く事実上の日雇生活なので、投信積立と純金積立、税金支払いのための貯金などを取り分けたら、生活かつかつです。

今朝は、インスタントコーヒーとスキムミルクと砂糖をぬるま湯で溶かし、ホットケーキミックスに加えて混ぜ、炊飯器でホットケーキをつくりました。

これを切り分けて、一部はキツネさん、残りは私がいただきます。

日本ではむかしから「くろよん」とか「とうごうさんぴん」といわれ、少しでもとりっぱぐれがない給与天引きに税務署がしがみつくため不可能ですが、ほんらい、国民全員に確定申告をさせればいいのです。

給付付き税額控除 - Wikipedia

負の所得税のアイディアを元にした個人所得税の税額控除制度であり、税額控除で控除しきれなかった残りの枠の一定割合を現金にて支給するというもの。

勤労税額控除という形式で導入している国家が存在し、アメリカ、イギリス、フランス、オランダ、スウェーデン、カナダ、ニュージーランド、韓国など10カ国以上が採用している。

負の所得税 - Wikipedia

こうした税制は、政府の財政と、社会的目標である最低レベル所得保証を同時に達成する単一のシステムを施行することを動機とする。NITが施行されていれば、上記の社会目標が達成されているため、行政的には大した努力なしに最低賃金、フードスタンプ、公的扶助、社会保障プログラムといったものの必要性を排除できるかもしれず、しかも重複する援助プログラムのあるシステムに存在する落とし穴や逆インセンティブを避けられる

 池田信夫は「負の所得税は、その効率性が原因でどの国でも実施されていない。大量の官僚が職を失うからである」と指摘している。

持っている者からとって、持たざる者に分配する。国家運営に必要な金額を差し引き、残り総額を低所得者に分配する(困窮者の「前借り」をみとめ、前借分は申告で清算させる)。制度に甘えてみんなが働かなくなれば、分配する額も減る。

これで社会全体が働かなくなれば、全員の首が締まるだけです。黙っていてもカネが降ってこなくなれば、就労せざるをえません(要は共産国家ですね)。

良くも悪しくも、すべて市場化にゆだねる。合理化効率化で公務員がクビになるなら、ほかの仕事どんどんやりゃあいいんです。生産年齢人口は減少の一途なんだから。

そういう話をすると「そうなんです。こっちから言わなきゃ支援はないんですよ。税金は催告だの督促だのってやかましいのに」と主人。

こんな世のなかが長くつづくわけがなく、どうせどっかで破綻するからしっかり「節税」して自衛したほうがいい、とは言っておきました。

それにしても、齢50になろうかというのに、炊飯器でホットケーキか(^^♪

底辺労働者だよなぁ……。