松村かえるの「かえるのねどこ」

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フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022 洗足学園音楽大学

|フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2022

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022 洗足学園音楽大学
日時:2022年7月26日(火)18:30開演(17:30開場)
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
[出演] 
指揮:秋山和慶
バレエ:洗足学園音楽大学バレエコース、谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団
管弦楽:洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
[曲目]
ラヴェル:マ・メール・ロワ
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ラヴェル:ボレロ
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲

この洗足学園大学さんのバレエ公演、以前にも来ています。

「洗足学園音楽大学 魅せるバレエ」 - 美風庵だより

過去の日記を検索すると、なんと5年前です。

日ごろバレエ音楽を聴くことはあっても、じっさいに踊り手さんがそれにあわせて踊る姿をみることはなかなかありません。こうやって眺められるだけでも、楽しいものです。

そして、あいかわらずオーケストラが素晴らしい。このニューフィルハーモニック管弦楽団というのは、プロを目指す若手演奏家の団体で、今回もしっかりとした音を聴かせてくれます。

ミューザ川崎は、サントリーホールなどと同様、舞台上演ができるようにはもともとなっていません。そのため、舞台の前半分を踊り手さんのためにあけて、残りに(間違っているかもしれませんがコントラバス4本の)小さい編成のオーケストラが(きっちきちに)陣取るという配置になっています。

前回は気づかなかったのですが、今回は、指揮者の譜面台の近くにモニターらしきものがあり、踊り手さんの様子も確認できるようになっているようです。まさか隣の男性からオペラグラス取り上げて確認するわけにはいきませんから、これも見間違いかもしれません。

曲そのものは、どれも大戦間に書かれたラヴェルの傑作バレエ音楽ですので、いまさら曲目解説は不要でしょう。当日居合わせて感じたのは、やはり秋山さんというか、オケが小編成だから目立ったのかもしれませんが、ラヴェルのもつ原色感というかグロテスクな雰囲気がよく出ていることでした。ラ・ヴァルスにしてもボレロにしても「品のいい」演奏が多いなか、譜面に書いてあることをやったらこうなるよね?という雰囲気があります。

若い世代のかただと、どう処理をしているのかスマートにさらりと聴こえることがあり、スタイルとしては古くさいのかも知れませんが、逆に落ち着きをおぼえてしまいます。

ラ・ヴァルスなんて、「1855年ごろの宮廷の幻想」とラヴェル本人が書いているわりに、最後、ワルツぶっこわして無理やり終わりますし、ボレロもわざと下品で俗っぽく聴こえるようにして、ラヴェルは世間に挑戦?したのですから、少々斜に構えた雰囲気がないと、おもしろくありません。

「ダフニスとクロエ 第2組曲」は、当日のパンフレットにはありませんが、どこかから合唱が聴こえてきます。舞台裏に控えている踊り手さんたちによるものでしょうか?

九州交響楽団 バレエ・リュスの二大傑作

この文章、福岡に戻ってきてから、2008年に録音された「ダフニスとクロエ」の全曲版を聴きながら書いています。どこかのオーケストラで、秋山さんで全曲版やってくれないですかね……交通費の負担がすくないところで(笑)