松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

日本センチュリー交響楽団第264回定期演奏会

第264回定期演奏会【発売中!】 | 日本センチュリー交響楽団

日本センチュリー交響楽団第264回定期演奏会
日時:2022年5月14日(土)14:00開演(13:00開場)
会場:ザ・シンフォニーホール
[出演] 
指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:辻彩奈
ソプラノ:古瀬まきを
ハープ:篠﨑和子
[曲目]
ディーリアス:イギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」
ブルッフ:スコットランド幻想曲作品46
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

[アンコール]

エルガー:愛の挨拶

ほぼ1年ぶりに、大阪 ザ・シンフォニーホールで日本センチュリー響を聴くことができました。

今回のお目当てはなんといっても「スコットランド幻想曲」でした。

マックス・ブルッフはなんといっても「ヴァイオリン協奏曲第1番」が突出して有名ですが、個人的には「スコットランド」のほうがお気に入りです。

スコットランド幻想曲 - YouTube

以前にこの部分のみ発見し、興味深く聴く機会がありました。やはり全曲なくては生殺しにちかいものがあります。冒頭の物悲しい低音のなか、ヴァイオリンが哀しく美しく奏でる場面から、ずっととおしで聴いてみたい……。

10年ほどまえにもいちど、秋山さんと九響で聴いているのですが(笑)、そのときの感想を読み返すと、戸惑っている様子がわかります。この当時、「スコットランド」はアッカルドとマズアの録音しか持っておらず、あのマズア特有の「音にしました」系演奏と、秋山さんと九響による実演の差がピンときていなかったのです。今にしておもえば、もったいないことをしました。

今回のソリストのかた、今月2回目です。

前回も感じましたが、曲のイメージをたいせつにされています。力強く、伸びやかで、無理がありません。この曲好きなんでしょうね。終演後、秋山さんが譜面台を指揮棒でパシパシ叩いて、にっこりしています。秋山さんにしても上出来だったんでしょう。

むろん、私も久しぶりに「スコットランド」の実演を聴けて、名曲だとあらためて感じました。

ディーリアスの「ブリッグの定期市」も、どこか柔らかい音色が、幸せに響きます。

この日記を検索しても出てこないため、ヴォーン・ウィリアムズの「田園交響曲」は、おそらく実演ははじめてだとおもいます。2階のオルガン側、舞台の上のブロックが完全に空席なので不思議におもっていましたが、ソリストのかた、あそこで歌うんですね……。

おもったよりも「田園交響曲」の実演が気にいり、19日、福岡サンパレスで行われる九響定期の入場券をさきほど購入しました。

第403回定期演奏会 || 公益財団法人 九州交響楽団 -The Kyushu Symphony Orchestra-

[出演] 
指揮:藤岡幸夫
ピアノ:チェ・ヒョンロク
ソプラノ:半田美和子
[曲目]
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲ニ長調
ヴォーン・ウィリアムズ:田園交響曲(交響曲第3番)

ここまで書いてきて、ヴォーン・ウィリアムズがドイツ留学中に師事したのがマックス・ブルッフで、ディーリアスもドイツ在住経験ありでドイツで評価を得たイギリス人作曲家と、じつはなんらかのつながりがある選曲だということに気づきます。

ヴォーン・ウィリアムズが師事したもう一人の作曲家がラヴェルで、これから聴く19日は、教会音楽っぽさをねらった弦楽オーケストラ曲のあと、左手のためのピアノ協奏曲(これもゆっくり超低音ではじまりますね……)、田園交響曲という流れになるわけです。

最後にもう一言。14日の演奏はおどろくほど自然でした。

じっと聴いているだけで情景が浮かび、幸せな気分になれました。