紫雲膏について
『紫雲膏』は、江戸時代末期の名医・華岡青洲が創方した漢方の軟膏です。
もともと中国、明の時代に陳実功(チンジツコウ)が著した「外科正宋(ゲカセイソウ)」にある「潤肌膏(ジュンキコウ)」に豚脂を加えたものです。
昨日、紫雲膏を塗り、傷パッドをして、怪我の様子をみる話を書いたあと気づいたのですが、どうも紫雲膏がテレビ番組で取り上げられ、どこも品薄になっているそうです。
私が知ったのは学生のころでした。華岡青洲創方とやたら宣伝されていますが、実際には紫根(殺菌・抗炎症)と当帰(傷の再生を助ける)をつかった処方はそれ以前から存在していました。彼の功績はラードを加え、柔らかく塗りやすく使いやすい軟膏にする方法を発見したことです。
独特の臭みは、ラードとゴマ油からきます。においが嫌ならごま油のかわりにサラダ油やオリーブ油でつくるとよいとむかし聞きましたが、さすがに漢方薬店で紫根と当帰を買ってきて自家製造するほどの根性はありません。
なお、多少でも漢方をかじるとわかりますが、紫根は患部を温めます。打撲や外傷は炎症をおこしているなら温めてはいけないのではないか、とむかし漢方の先生に質問したことがあります。「cool-down目的なら紫根の代わりにオウバクとウコンで軟膏をつくる(中黄膏)が、内出血は温めて散らす必要があるため、みな紫雲膏をつかう。中黄膏は、打撲のごく初期か、水虫のかゆみ止めに使うかくらい」と言われたのをおぼえています。この中黄膏も華岡青洲さんの創方だと聞きました。
ただ、良い点ばかりではありません。上から傷パットなどでしっかり押さえておかないと、服に紫色がついたら落ちないため、使いにくい薬であるのはたしかです。
それをいま肌荒れの薬としてテレビ番組が取り上げたっていうんですから、謎です。
傷を早く、きれいに治す知っておきたい「湿潤療法」~からころ連動企画~| e健康ショップ
わたしは医者でも薬剤師でもありませんので理解が足りない可能性はありますが、むかし聞いた話からすると、華岡青洲さんの想定は、いまでいえば湿潤療法なのです。
殺菌剤・抗炎症・肉芽形成促進作用のある生薬を溶かし込んだ脂分をべったりと塗り、脂分で外気と遮断して治療するわけですから……。なので、そこらへんの新薬の外用剤と同じようにつかっても、あまり意味はありません。薬剤に浸透力がないからです。こういうところを、テレビ局ってちゃんと伝えてるのかな……。
本日の運動経路(佐屋形山登山編)
今日は知人事務所に行く用事がありません。
純粋な休日です。「無職プーちん」の休日とはなんだ?と突っ込まれそうですが……。
おもったよりはやく足の腫れもひき、まだ内出血はしていますが、歩くのに支障はなさそうです。
というわけで、今日も出かけることにしました。
今回は、2年以上ご無沙汰の鐘崎漁港と織幡神社を散策することにしました。
全体で約6kmほど歩き、9社訪問することができました。
今回訪問分の「神社めぐり」は、9月下旬に掲載予定です。
午前中別件を終え、着替えてJR東郷駅に着いたのが12時過ぎでした。ここから鐘崎車庫行の路線バスに乗ります。
上八、うえはち、と書いて「こうじょう」と読みます。
上八バス停に到着しました。ここから鐘崎漁港とその周辺を徒歩で散策します。
もともとは「上入:かうじゅう」と呼んでいたものが、上八と書かれるようになったとのこと。
上八交差点が「環状交差点」に交差点の通行方法が変わります - 宗像市
上八交差点が「環状交差点」に交差点の通行方法が変わります
更新日:2017年02月27日
市と県では、鐘崎漁港の整備に伴い、3月末の完成に向け、岬地区の上八交差点の改良工事を進めています。
完成すると、市内初の環状交差点になり、信号機がなくなる他、新たに整備を進めている上八護岸道路とも接続し、五差路となります。
むかしクルマで来たとき、信号のない交差点に面食らいました。どうやらラウンドアバウトというそうで、人生初体験でおっかなびっくりで走ったのをおぼえています。
慣れてしまえば、流れに乗り、つねに左折オンリーで進行すればよく、わかるのですが、もうあのときは大パニックでした(笑)
阿弥陀如来のお堂を過ぎ、細い路地を歩いて、海に向かいます。
家族連れが1組のほか、画像の外にバイクツーリング中のかたが寝転がって休憩されておられました。やっぱり海はいいですね……。
おなじバスを下車した、高校生くらいのカップルです。てっきり帰宅しているのかとおもっていましたが、もしかすると海を眺めに?
こんもりと盛り上がっているのが、織幡神社のある佐屋形山です。
海側と山側に新しい道が整備されていますが、鐘崎地区のなかの道は、むかしながらの離合困難な道幅しかありません。
朝昼兼用でお刺身定食をいただきました。
少し高台になるため、佐屋形山と地島がよく見えます。
福岡県神社誌には地島だけで7社、神社が掲載されています。いずれどこかで海を渡って訪問せねば……。
いつもはこの堤防のところで誰か釣りをしているのですが、今日は居ないようです。
織幡神社(織幡宮)にやってきました。いつみても堂々とした立派な神社です。
過去に何度もとりあげた神社ですが、今回、あらためて「神社めぐり」で取り上げたいとおもいます。
鐘崎航空灯台跡を探して
以前、秋月航空灯台を訪問しました。資料をながめていて、筑前鐘崎航空灯台というのも存在したことに気づいていました。備考欄に「鐘の岬の旧52m独標」とあり、要するに織幡神社のある佐屋形山のことです。
織幡神社の社殿です。この社殿の左側から、裏の山に登る道が伸びています。
はじめて訪問したときはこんな立派なものではなかったのですが「沖ノ島遥拝所」として最近整備されたようです。
3分ほどで佐屋形山の頂上にたどり着きました。
ここから、下り坂です。
じつはこの先に、壊れかけの鉄筋コンクリート造のなにかがあるのです。以前訪問したときに気づいていたのですが、この山中で航空灯台の残骸があるとするなら、あれしかありません。
以前訪問したとき、解体途中の公衆トイレみたいなこの建物がなんなのかまったくわかりませんでした。いつのまにか沖ノ島遥拝所として紹介されるようになりましたが、上に取り付けられた照明塔の残骸といい、ただの遥拝所ならこんなつくりにしないのは、たしかです。
屋根が落ちないよう、中央の支柱で補強されています。
地島と大島を拝むことができました。沖ノ島はみえません。
資料には、1933年(昭和8年)設置で1940年(昭和15年)廃止とあるものもあれば、「不時着場未確保につき未点灯」、つまり建物はつくったけど使っていないというものもあります。
もう少し、山中くまなく調べてみる必要がありそうです。
今日の神社ネコ
バス停に戻る途中、神社の手水鉢で猫がグイグイ水を飲んでいました。
iPhoneを向けると、こちらを向き、あんただれ?という顔をして、またグイグイと飲みはじめます。猫はヒゲが濡れるのを嫌って舌でペロペロと水をすくいあげるものだとばかりおもっていましたが、ちゃんと口をつけています。
鐘崎車庫バス停がみえてきました。
ここから赤間営業所行のバスに乗って、JR赤間駅まで戻りました。
佐屋形山を下山し、再度織幡神社にお参りしていたら、ちょうど神職のかたが片付けの最中でした。「お参りの記念に」ということで御守りをいただきました。
いつもは朝、掃除に来るだけらしいのですが、今日はたまたま氏子さんたちとの打ち合わせがあり、拝殿をいまから閉めて、境内の掃除をされるとのことでした。
昨日は自転車事故でしたが、今日はなかなかラッキーでした。