松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

罵倒される。

書くと読者を減らすかもしれないのですが、意外とカウンタがあがるかもしれないので、書くことにしました。はい、私はカウンタ乞食です。すみません。

16日、福岡市内から戻るさい、駅から西鉄の路線バスに乗り換えて帰宅しました。

路線バスは終点の営業所まで乗ります。安心して運転士後ろの席で寝コケていました。

ふと、バスが動いていないのに気づきました。

声がします。運転士に知らないおっさんが文句を言っています。ずっと絡んでいるため、発車できません。

どうやら、乗車したさい、ICカードをタッチしていないため、途中のバス停で乗車側ドアをあけてカードをタッチさせろと主張しているようです。運転士はバス会社の規則どおり、始発からの運賃を払えとやるわけですが「おまえさっきおれ乗せたやろ。始発から乗っとらんのはわかるやろが!」と吠えます。

運転士が「もう今度だけですよ」と言い、後ろのドア(西鉄の路線バスは通常、中乗り・前降りです)をあけて読取機にタッチさせました。それで黙るかと思いきや、次の赤信号でまた前に来て「なんやおまえ年寄りにその物言いは!」と運転士に吠えます。

信号が変わっても発車できず、後ろの車が無理に追い越していきます。

私の反対側に座っている(おそらく)学生さんが「座ってください。もういいでしょ。黙って座らないから発車できないじゃないですか」と言います。「75の年寄りにその物言いは。おれがおまえに何をした!」と言い返すため、さすがに腹が立ち、横から「あんた以外の客全員に迷惑になりよろうが、黙ってまず座れ!」と、ついどやし上げました。

するとこの齢のいきそこない、交互に我々を指さし「お前らも西鉄の人間か!」「違う!」「じゃあ会社言え!どがん教育しよるとかと苦情いれる!」と騒ぎ始めます。じっと目を見て「言えるか!黙れこら!しばくぞ!」とどやすと、やっと椅子に腰かけます。

座席から今度は「かかってこい」「名乗れんのか」「なんやこのちんぽ野郎」「ちんぽちんぽ」「立たないちんぽ」と数分にわたり連呼しまくります。

後ろの客がげらげらと笑い出し、あまりの馬鹿さ加減に知らんぷりできず私も笑い出してしまいました。

この齢のいきそこない、最後は私たちに手を振って「降りてやるよ。二度と乗るか!ここ(この地域)は薄情もんしかおらん!」と言って、降りていきました。

彼が下車したあと、75歳までどういう人生を送ったら、シンナーでおかしくなった不良中学生なみの言動がとれるのか、しみじみ考え込んでしまいます。

向こうが詰め寄ってきたとき、手に持ったすり傷のはいったパスモ(関東圏で発行されているICカード)に油性マーカーで書いた名前らしき文字がみえましたから、バスの乗り方をまったくしらないはずはありません。全国、どこでもツードアの路線バスは「中乗り・前降り」「前乗り・中降り」しかないからです。

使い込んだパスモ持ってるんだから、カード読取機にタッチすることも知っているはずで、最初から運賃をちょろまかす気マンマンだったのでしょう。そもそもこいつ、パスモなんですよね。どっから福岡に来たんだ?

こんなのが(本人の主張どおりなら)75歳まで世渡りできたということに世のなかの闇を感じます。これで生き延びることができるのであれば、はたして真っ当に生きることを教える意味ってあるのでしょうか?