松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

負け組の遠吠え(23:小ネタ集)

FIREを目の敵にする人々

早期リタイア「FIRE」族の破綻が急増するワケ。日本人向けリタイアプラン「FIRA60」で仕事と老後の充実を得る方法とは?=榊原正幸 | マネーボイス

いくらブームだからといっても、若い人が安易に「FIRE」に走ることには大きな危険が潜んでいます。そして、早期リタイアの現実は「若い時から死ぬまで一生、節約生活」ですから、まったく魅力的ではありません。

未熟な若者が「FIRE」を目指す危うさと愚かさ。ドケチ生活で“種銭”を貯めても不幸になるだけ=午堂登紀雄 | マネーボイス

ケチケチとお金を貯めて投資をし、その配当で節約生活をすることには危うさを感じます。それよりも稼ぐ力と賢く使う方法を身につけることが重要ではないでしょうか。

FIREの危険を回避せよ。破綻しないための現実路線「サイドFIRE」なら実践できるワケ - まぐまぐニュース!

若年層を中心に広まっていましたが、最近では40代・50代でも関心が高いのがFIREです。今回は、FIREが目指す経済的自立や、日本でFIREを実現する方法について考えていきます。

さいきん、このテのFIRE(Financial Independence, Retire Early movement)叩きの記事が目立ってきました。そして文中、意味不明な個人の感想がおおいのも特徴です。

考えなくてもわかるとおり、おカネがあれば働かなくて済みます。

この世のどこかには「仕事が人生の楽しみ」で「働くことそのものを楽しむ」生活を送っている、資本主義社会の申し子のようなかたも存在しているかもしれません。しかし、私も含めて一般庶民は、ストレスをまぎらわすため酒をのみ、趣味で気持ちを切り替え、メシ代のために働く苦行からいつかは逃れたいとあこがれて生きています。

産業医 - Wikipedia

・健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置
・厚生労働省令で定める要件に該当する者(月80時間超の時間外労働により疲労の蓄積が認められる労働者)に対し、面接指導及びその結果に基づく必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
・心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施並びに面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること(2015年(平成27年)12月より施行)。

そもそも、この世には産業医という職業が存在します。なにをするかは法令にあるとおりで、読めばわかるとおり「個人が耐えられる負荷を超えて働かせると心身をそこなう」ことを前提としています。

これが仕事は苦行である証拠でなくてなんでしょうか?

だから早期リタイアに憧れるのはしごく当然のことで、それを否定するならそれなりの根拠と理由を書いてほしいのですが、書けている記事にお目にかかった記憶がありません。

早期リタイア「FIRE」族の破綻が急増するワケ。日本人向けリタイアプラン「FIRA60」で仕事と老後の充実を得る方法とは?=榊原正幸 | マネーボイス

榊原正幸 - Wikipedia

この記事は、世帯年収1,500万円あった31歳が、年間400万円で暮らして1,000万円を貯金・投資にまわして5,000万円つくり、これを元手に早期リタイアすることを批判したものです。

31歳で世帯年収1,500万稼げる能力も、稼ぎをぱっぱか使わず400万で生活する能力も、立派なものです。ふつうに考えれば、かりに投資に失敗したとしても、社会復帰できる能力も高いとみることができます。

ところが、これが気に入らない。どうも論者の経歴を読んでいると、35歳で私立短大講師、その翌年に国立大学の助教授就職ということで、おそらく31歳ごろは大学院を出て非常勤講師で食いつなぎながらポストの空きを待っていた時期だと想像がつきます。いろいろ書いていますが、嫉妬です。私立短大講師からすぐ転職しているところをみても、猟官運動必死だったんだなとわかります。本人に自分を売り込む才能もあったから成功したわけですが。

FIREの危険を回避せよ。破綻しないための現実路線「サイドFIRE」なら実践できるワケ - まぐまぐニュース!

FIREは大きく分けて2種類あります。
1つは「フルFIRE」です。完全に仕事を辞めて、資産運用の収入だけで生活するものです。もう1つのFIREは「サイドFIRE」ですが、「資産運用の収入+勤労収入」で生活する生き方です。

これで原稿料もらえるのかと驚く文面です。「大きく分ける」もなにも、家賃収入や投資をやって副収入を得ているおっさんおばさんなんてゴロゴロいます。これはFIREじゃないでしょう。「早期リタイア」していないんだから。たまにみかける「セミリタイア」という意味不明の単語とおなじです。

未熟な若者が「FIRE」を目指す危うさと愚かさ。ドケチ生活で“種銭”を貯めても不幸になるだけ=午堂登紀雄 | マネーボイス

FIREを望んでいる人は「早く会社を辞めたい」「仕事をしたくない」という人たちでしょうから、そこまでパフォーマンスが高くない人が多いと考えられます(もちろん例外はいますが)。
一方、私の周りでセミリタイアしている人は、若いころは仕事に没頭し、それなりに成果を上げてきた人ばかり(不動産投資家やネットトレーダーは別格です)。

この記事の論者もそうとう偏っています。というより、この記事は、自分がいかに努力してここまで成功したかの自慢話なのですね。だからFIREは、まちがっても認めたくないのです。

実家が自営業や百姓のかたなら、節約することが悪いなんて考えるひとはいないでしょう。収入の浮き沈みを調整する方法は、ひごろから節約に慣れることしかないからです。節約できることは素晴らしいことですし、そこから投資をしたりするのも重要なことです。ただ、とうぜんながら人生一寸先は闇なので、あまり極端な選択はしないようにおススメして、可能なら食える資格を身につけたり、生きていける範囲でなるべくストレスの少ない職業を選択したりしてほしいとおもうだけです。

過激なことを書かないと読んでもらえないからといって、駄文垂れ流すのはどうなんですかね……。

マミートラックって?

「私はマミートラックに該当」46% ミレニアル世代調査 : 日本経済新聞

26~40歳の子育て中の女性のうち46%が、仕事の難易度や責任の度合いが低くキャリアの展望もない、いわゆる「マミートラック」に該当すると感じていることが21世紀職業財団の調査で分かった。ミレニアル世代と呼ばれるこの世代の正社員同士でも、子育てをしながらのキャリア形成に関する意識が男女で違うことも明らかになった。上の世代に比べると結婚・出産しても働き続けることが一般的になったものの、性別役割分担意識などの影響を受けてキャリアが停滞してしまう女性が多い。

朝起床して、ブログ・メール・日経電子版をチェックしているのですが、どうもこの記事の立ち位置がわからず、二度読みしました。

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辞書をひくと、1989年初出の言葉だそうです。

企業からみた場合、払う給料より稼がないひとは、居てもらっては困ります。

産休・育休も、病休も、その点は大差ありません。

新人を使えるレベルに養成するのもおカネと時間がかかりますから、ブランクがあっても復帰できるようにし戦線に再投入したほうが安くつくので、これらの制度が一般化したものです。

その間、ほかの社員は働いています。ウサギとカメの昔話と一緒で、ウサギがたかをくくって寝ているあいだにカメに追い抜かれても、仕方ありません。稼ぎに寄与していない空白期間は、評価のしようがないのです。それに、子供の急な発熱で保育所からたたき出され、あわてて迎えに行ったり、突発的に休まれることも多くなると、それをカバーできる部署にまわすしか、手がありません。

すくなくとも小学校入学までは、雇う側も3掛け5掛けの戦力として考えざるをえないのです。いまは「イクメン」なんて造語までして男性を子育て参加させてますが、かりに職場結婚共働きでこれやられたら、企業はリスクを倍抱えることになります。表向きかっこいいことは言っても、内心は嫌で嫌でしかたがないでしょうね……。

もしこれを解決する方法があるとするなら、日本でも本格的にベビーシッターを普及させるよりほかはないでしょう。日経新聞なんだから、そういう提案をすればいいのに。