NHK受信料は税金か?
NHKの逆転勝訴確定 映らぬテレビに契約義務―最高裁:時事ドットコム
2021年12月03日17時25分
NHK放送を視聴できないよう加工したテレビを自宅に設置した東京都の女性が、受信契約を締結する義務がないことの確認を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は2日付で、女性側の上告を退ける決定をした。女性勝訴とした一審判決を取り消し、NHK側の逆転勝訴とした二審判決が確定した。
視聴できぬテレビも契約義務 NHKが逆転勝訴―東京高裁:時事ドットコム
2021年02月24日17時31分
NHK放送を視聴できないテレビを自宅に設置した東京都文京区の女性が、受信契約を締結する義務がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であり、広谷章雄裁判長は女性側勝訴とした一審東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。
NHK受信料についてあり得ない最高裁判決がでました(参考のため原審判決のニュースも引用しました)。
「NHKが映らないように加工したテレビを購入しても、NHK受信料を払う義務がある」というものです。NHKのスクランブル放送化を求めている我々が怒るのはとうぜんですが、一般のかたでも「映るか映らないかは関係ない。テレビがあるなら受信料を払え」という、事実上の税金認定に驚いたかたも多数おられるとおもいます。
NHK受信料不要のソニー・ブラビア4K液晶 業務用でチューナーなし、テレビ映らず: J-CAST トレンド【全文表示】
このディスプレーで受信料を支払う必要があるか、J-CASTトレンドがNHK広報局に取材したところ、各企業の製品については答えられないとしつつ、「放送を受信する機能がないモニター等については、受信契約の必要はありません」との回答があった。
“NHK受信料を支払わなくていいテレビ”を製品化 ドンキの狙いは?:チューナーレスのネット動画専用機(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
ITmedia ビジネスオンライン編集部はNHKに対し、以下の3点を質問した。
チューナーレステレビに、受信料の支払い義務が発生するか
(略)
これに対し、NHK広報は「放送法64条1項では『協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない』と規定されています。NHKはこれに基づいて受信契約をお願いしています。なお、放送を受信する機能を有しない設備については、放送法64条1項に規定する協会の放送を受信することのできる受信設備にあたらないため、受信契約の必要はありません」と回答。チューナーレステレビでは、受信料の支払い義務が発生しないことを事実上、認めた。
テレビチューナーがついていない「テレビ」を売るメーカーや量販店も登場しています。一定のニーズがあるとのことで、それが受信料回避なのは明らかでしょう。
裁判所の判断がおかしいのは、法律がもともとおかしいからです。
現在の与党である自由民主党、公明党のホームページから「NHKを視ない自由を国民に与え、受信料は見たい者だけが払うよう法令を改正しろ!スクランブル放送化賛成!」と投稿しておきました。
自民党へのご意見フォーム | ご意見フォーム | 自由民主党
ぜひ、全国各地から自民党と公明党の「ご意見」投稿ページに「NHKスクランブル放送化賛成!」と投稿をお願いします。
このまま税金化を許してはいけません。
私学をなぜ国が統治しないといけないのか?
私学ガバナンス議論、当事者抜きで大荒れ 大物自民議員、崩した青写真 | 毎日新聞
経営上の重要事項を決める最高議決機関を、教職員などの学内関係者を中心とした「理事会」から、学外者だけで構成する「評議員会」に移すことを提案。また、理事を解任する権限を、評議員会に無条件で持たせようとした。私学経営に大きな転換を迫る改革案だった。
私学側はすぐに反応した。報告書が出た3日後、日本私立大学団体連合会と日本私立短期大学協会が連名で声明を発表。「学生と日ごろ接していない学外評議員だけで、教育研究に関する運営の責任は取れない」と報告書を批判した。
私学への関与を強化する答申案に対し、私学経営者側が反旗を翻しているようです。
私学、とくに私立大学には多額の助成が行われてきました。
私立大学等に対する補助事業|私学振興事業(助成業務)|私学事業団
私立大学等の教育条件と研究条件の維持向上及び在学生の修学上の経済的負担の軽減並びに経営の健全化等に寄与するため、国から私立大学等経常費補助金の交付を受け、これを大学等を設置している学校法人に交付しています。
昭和45年度から令和2年度末までの交付額は、13兆170億円に達しています。
1970年の制度創設からの累計が、なんと13兆円にものぼるとのこと。
これは、もともと大学進学率の上昇に国公立大学の増設が追いつかず、私立大学に助成を行い新設増設させることで「大卒」の肩書が必要以上に狭き門にならないようにしたものでした。
税金から助成するからには、その範囲で指導監督する必要が生じます。結果として、私立大学や助成金の分配機関は上級公務員の天下り先としても機能するようになりました。
経営側だけでなく教員の側にしても、国公立大学を定年後、定年が70や75の私立大学を複数渡り歩いてまた給料をもらえます。
ここまで書くとわかるでしょうが、これ、助成する側(=天下りする側)とそこで働く教員側に都合の良い制度をさらに一歩おしすすめ、(国を含めた)外部からの監督を強化して「準」国公立化しようとする話です。
私学助成をもらって大学新設・増設をした私学経営者は、ぜんぶ助成で賄っているわけではありません。自己資本も入っているのに、カネを出したわりに自らで操縦できなくなるというあり得ない議論なわけで、なにをどう間違えたらこんな議論になるのか、まったく理解できません。
助成金を口実に、私学の自由を奪い、つぶすことになります。
日大の事件にしても、かりに私学助成がまったく入っていないどっかの無認可学校なら、問題にならない話です。じっさい、田中理事長は公務員ではないため贈収賄が成立せず、脱税容疑で捕まりました。ほんらいそんなところに税金をぶちこんではいけないのです。
大学進学率は頭打ちになり、Fランク大学とかボーダーフリー大学と呼ばれる大学がどんどん増えているいま、私学助成はほんとうに必要か、もう一回考える必要があります。
戦前は、カネのない貧乏人にも、師範学校、陸軍士官学校、海軍兵学校といった学費免除の教育機関が存在し、広く門戸をひらいていました。国公立大学のすべてを学費ゼロにしろとまでは言いませんが、私学助成をやめて国公立の学費を下げる原資にまわすべきです。
国公立私立問わず、研究に対する助成は行っていくべきだとおもいます。
しかし、ボーダーフリー大学に進学し、高卒での就職を回避した層にまで、私学助成までして「大卒」の肩書を与えるべきか、もうそろそろそちらのほうは見直すべきだとおもうのです。
ふるい(2015年)の資料ですが、1970年に私学助成がはじまったころと、18歳人口もことなることがお分かりいただけるとおもいます。