美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

負け組の遠吠え(12)

https://www.soumu.go.jp/main_content/000255918.png

総務省|国政選挙における投票率の推移

衆院選 最終投票率は戦後3番目に低い55.93% | 2021衆院選 | NHKニュース

31日に投票が行われた衆議院選挙の最終投票率は55.93%で、前回・平成29年の選挙より2ポイント余り上回ったものの、戦後3番目に低い投票率となりました。

選挙の話をいまさら書くかという気もしたのですが、ブログチェックをしていると「電子投票をなぜ導入しないのか」という記事をよくみかけるため、ひとこと書いておこうと思います。

総選挙(なぜかは知りませんが衆院選は正しくは「総選挙」なのです)と参院選の投票率の推移を、総務省のホームページから引用してみました。基本的に投票率は下がり続けていることがわかります。

  

「日曜日に必ず休みがとれるひとばかりではない。それが問題なのではないか」と、テコ入れに期日前投票の制度がはじまったのが2003年12月でした。第43回総選挙(2003年11月)と第44回総選挙(2005年9月)を比べれば、そのテコ入れ効果がすさまじかったことがわかります。

第44回衆議院議員総選挙 - Wikipedia

投票率は小選挙区が67.51%(前回衆院選59.86%)、比例代表が67.46%(同59.81%)と上昇した。また、期日前投票も8,962,955人(有権者のうち8.67%)と上昇した。 

この次の第45回総選挙(2009年8月)で、民主党が308議席を獲得して政権交代を実現します。

第45回衆議院議員総選挙 - Wikipedia

期日前投票制度を利用して投票日前に投票した有権者は1,398万を超え、国政選挙での期日前投票制度の実施以来、最高を更新した。
選挙の結果、民主党が選挙前を大幅に上回る308議席を獲得し、議席占有率は64.2%に及んだ。単一の政党が獲得した議席・議席占有率としては現憲法下で行われている選挙としては過去最高であった。

有権者の約2割が、期日前投票を利用しました。この選挙で自民党は半分以上の議席をうしなう大敗北を喫します。そこで彼らが学んだのは「有権者が足を運びやすくすることは、利益にはならない」ことでした。

次の第46回総選挙(2012年12月)の比例代表での自民党の得票数は16,624,457票です。第45回総選挙の比例票が18,810,217票でしたから、むしろ減っています。なのに約180議席増の大勝利でした。

これは、民主党が得た第45回の比例票が29,844,799票から第46回は9,268,653票と激減し、勝手にボロ負けしたことによる勝利とみることができます。日本維新の会が1,200万票とり政権批判票がそちらに流れたのも、痛手でした。

ちなみに今回の第49回総選挙比例代表での自民党の得票が19,914,883票です。

「絶対に選挙に行くコア支持層をきっちりかためていれば、勝つ」「寝た子はそのまま寝てくれればよい」「逆風さえ吹かないようにすれば、勝つ」という戦略が当たり、ほぼ現有議席を維持しました。

もしスガーリンのまま選挙突入していれば、ずいぶんと違う光景になったかもしれません。

 

電子投票、実施自治体ゼロに 開票14分実現できたけど:朝日新聞デジタル

開票作業を効率化しようと特例法を設けて2002年に始まった電子投票。全国で唯一続けていた青森県六戸(ろくのへ)町が撤退を決め、実施する自治体がなくなった。この間に採り入れたのは、わずか10市町村。どうしてか。
「続けるのは難しい」。六戸町役場に昨年12月、電子投票の機器やシステムの開発企業でつくる「電子投票普及協業組合」(東京都)の担当者から電話が入った。来年の統一地方選での機器のリースを断る内容だった。

(略)

2002年に片山虎之助さんの地元を皮切りにずいぶん鳴り物入りではじまった電子投票も、ひっそりと終了しました。

ほんとうに事務の合理化と投票率アップをめざすのであれば、マイナンバーカードを利用した電子投票など、いろいろ考える必要はあります。

政治を動かす側が「固定客だけ相手していれば安泰」と考えるかぎり、制度の進化はあり得ません。

 

議席減の立憲民主、共産との共闘は失敗か(高橋浩祐) - 個人 - Yahoo!ニュース

その一方、コロナ対策の不手際や不祥事連続で自公政権への強い反発が少なからずあったのに、立憲民主党はその受け皿になれず、公示前勢力を下回る議席しか獲得できなかった。公示前の109議席から96議席となり、13議席も減らした。政治は結果がすべて。立憲民主党の共産党との共闘ははたして本当に正しかったのか。失敗に終わったのではないか。

私はこの視点は必ずしも正しくないと考えています。

政党支持率を考えれば自分たちに風が吹いてこないことはわかりきっていますから、固定客の足し算をやったのが枝野党と共産党さんの思惑で、むしろこのくらいの負けで済んだことを考えれば、枝野党としては上出来だったと感じます。

細川内閣 - Wikipedia

双方とも条件の受け入れを表明したが、「細川首相」を提示した非自民側が結局取り込みに成功し、細川を首班とする新政権の発足が決まった。連立与党内における日本新党の議席数は、社会党、新生党、公明党に次ぐ第四勢力である。しかも、細川は参議院議員を2期、熊本県知事を2期、その後日本新党を結成して再び参議院議員を1年間務めていたものの、衆議院議員は初当選だった。これは、理念や政策、政治手法についての考えがバラバラな8党・会派をまとめていくためには、細川の政界再編・新党運動の先駆者としての立場、そして旧熊本藩主家である侯爵細川家の出自とかつて首相を務めた公爵近衛文麿の孫という毛並みの良さに支えられた国民的人気などを考慮した新生党代表幹事小沢一郎の判断の結果である。
9月はじめの朝日新聞の世論調査では、内閣支持率は空前の71%に達した。

もし枝野党が本気で政権獲得に動くのであれば、野党統一名簿で「与党か野党か、現状維持か現状打破か」を打ち出し、他人を担いででも格下を担いででも勝つ根性をみせなければお話になりませんでした。

つぎの総選挙に枝野党が残っているかどうかすら、微妙な気がしています。

 

与野党とも固定客だけで票読みする時代に、投票率テコ入れの議論なぞ望めるはずもありません。おそるべき時代になりました。どうすりゃいいんですかね?