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2019年5月に訪問して以来の再訪です。
「下馬」と鳥居前に標識があるのですが、自転車が倒れそうになるため、内側に入れさせてもらいました。
福岡県神社誌を読むと、貞観2年(860年)に石清水八幡宮を勧請したとあり、それが創建のように書かれているのですが、何故か御祭神はかなり石清水八幡宮と異なります。
前回訪問したときは、どうもこの辺りの理由がわからなかったのですが、各地の神社を訪問した目で再度眺めてみると、元は玉垂宮であったものを、八幡宮で上書きしたものだと分かります。豊玉姫が御祭神に居るのも鍵です。豊玉姫は初代八幡神である大幡主の子 豊玉彦(豊前坊、八咫烏)と、高木大神・天照大神の娘 萬幡豊秋津姫の子女であり、石清水八幡宮が宇佐神宮の分祠という形態をとりつつ、祭神の扱い(重み、比重)がだいぶ異なることのヒントでもあります。
つまり、九州王朝の宗廟である玉垂宮の看板を下ろさざるを得なくなったとき、いっけん現王朝(現皇室)の祖である応神天皇を祭神として受け入れるふりをしながら、石清水から勧請して、大幡主・豊玉彦の初代八幡神の流れを取り込んだとみることができるのです。
狛犬のほか、狛「うそ」が並んでおり、ここには菅公も合祀されているのかと神社誌のPDFを確認しましたが、境内に天満神社が2社あると記載があるのみでした。とはいえ、境内をぐるりと回って境内社を数えてみても、神社誌に記載の数はなく、おそらく社殿に菅公も合祀されているのでしょう。
装飾が塗り直され豪華な雰囲気で圧倒するわりに、千木がないのが気になります。御祭神隠しでしょうか。
遺族会が管理する招魂社?忠霊塔?が境内にあり、前回同様、今回も手をあわせました。
過去の訪問記録
うきは市の隈上正八幡宮と賀茂神社(2・終) - 美風庵だより
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福岡県神社誌:中巻263頁
[社名(御祭神)]正八幡宮(応神天皇、豊玉姫命、高良玉垂命、雷神、罔象女神)
[社格]村社
[住所]浮羽郡御幸村大字西隈上字宮ノ本
[境内社(御祭神)]貴船神社(闇淤加美神)、秋葉神社(加具土神)、琴平神社(崇徳天皇)、猿田彦神社(猿田彦神)、天満神社(菅公)、猿田彦神社(猿田彦神)、天満神社(菅公)
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2021.04.25訪問)