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ゼンリンばかりで神社を探していると、近場で見落とすことがあるものです。
今回は、嘉麻市大力地区西野集落にある天満神社を訪問してみました。
西野集落の中心部にある「西野集会所」に車を停めさせてもらい、現地まで歩くことにしました。
じつはこの建物から先に足を進めたことがありません。
以前から集会所のはずなのに注連縄が年中張られているのには気づいていました。こういう場合、地元のお宮が寄り付きにくい場所にあることがほとんどです。もしかするととんでもない場所にあるのかもしれない、と思いつつ、地理院地図と「ヤマレコ」アプリを頼りに歩きます。
ほんの数分で到着しました。拍子抜けするほど近くにあります。
画像では分かりにくいのですが、石段の踏み石が手前に向かって傾き、雨上がりということもあって、何度もすぺりこけそうになります。危ないことこの上ありません。集会所から遥拝するはずです……。
足元をすべらせないよう気をつけながら登ると、社殿がありました。扁額には天満神社とあります。
御祭神に大己貴と少彦名命があり、つまり大国主と事代主を菅公が従えている構図です。どうも座りが良くありません。大国主の義父 大幡主を祀る天神社が、後年、皇室から「天満自在天神」の称号をうけた菅公により上書きされ、天満神社となったと考えられます。
画像を撮り損ねましたが、石段のところにある鳥居の扁額は「天神宮」となっていました。少なくともこの鳥居が奉納されるころまでは、菅公ではない「天神さま」の記憶が、地元に残っていたようです。
本殿となる石祠の脇に、べつの祠があります。元の本殿でしょうか。
さすがに踏板が傾いた石段をおりる気になれず境内を歩き回ると、ひと一人が歩ける坂道を見つけました。踏み跡がしっかりと残っているので、もしかするとこちらを地元のかたは利用しているのかもしれません。
福岡県神社誌:下巻404頁
[社名(御祭神)]天満神社(菅原神、大己貴命、少彦名命)
[社格]無格社
[住所]嘉穂郡千手村大字大力字ニシノ
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2021.04.04訪問)