美風庵だより

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うきは市吉井町若宮 八幡神社(若宮八幡宮)


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福岡県神社誌では八幡神社として掲載されています。おそらく、これが宗教法人としての登記名なのでしょう。

ここはむかしから若宮八幡宮と呼ばれていた記憶しかなく、福岡県神社誌をはじめて確認した際「若宮八幡がない」とあわてました。御祭神も、若宮の名からてっきり仁徳天皇を中心としたものだと思い込んでいましたが、基本形は八幡宮の御祭神に近いものです。

源為朝 - Wikipedia

社伝では、九州に追放された源為朝が久安6年(1150年)にこの地を訪問し、鶴岡八幡宮を勧請したとのこと。

鶴岡八幡宮は康平6年(1063年)に、河内源氏の氏神である壷井八幡宮を由比郷鶴岡に「鶴岡若宮」として勧請したものとされていますから、時系列のつじつまは合います。ただ、13歳で勘当されて九州追放された者が「祖先が八幡神祠を建てて関東を平定したのなら、今度はおれがここに八幡神祠を建ててこの地を平定してやる」と宣言したというのは、少々話が出来すぎの気もするのですが……。

となると「若宮」という地名には、鶴岡八幡宮の「若宮(新宮)」というなかなか気負った意味が、含まれているのでしょう。

加えて、この地には神社が建つ前の元々の祭祀があったことも知られており、福岡県神社誌では、景行天皇の行宮があった場所だとしています。

この景行天皇という存在もよく分からないものです。大彦忍代天皇(おおたらしひこおしろわけのすめらみこと)と日本書記に書かれているからには、九州王朝の正統ではなく、水沼君や宇佐津彦同様、現王朝(現皇室)に関連する存在を天皇に格上げしたものと考えるのが妥当なのでしょうが、どうもピンときません。この系統は、日本武尊や足仲彦(仲哀天皇)に続く系統であり、もっとしっかり把握しないといけないのですが……。

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久しぶりに訪問して現地を眺めると、扁額が「八幡大神宮」なのに気づきます。「八幡大神」の「宮」と、敢えて言い直しているわけで、これはどうしたものかと考えてしまいます。社伝では鶴岡八幡宮の分祠ということになるのですが、現地の扁額は、そんなものではない、と主張しているのです。

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翼廊つきの楼門をはじめ、古そうな建物になにかヒントは残っていないか、探していきます。

朝倉市林田 美奈宜神社 - 美風庵だより

久留米市田主丸町志塚島(灰塚) 熊野神社 - 美風庵だより

なんと、随神像が笹紋です。笹紋や竹紋が、大幡主やその後継者である大国主の替え紋なのは、これまでにも何度か取り上げてきました。大幡主(博多のお櫛田さん)、その後継者である大国主、大幡主の盟友だった大山祗と、いわゆる「出雲系」「国つ神」と、一段格下として扱われてきた者が、お現王朝の祖先を守る?……こんな構図がありうるのか?

しばらく考えてみて、やはりここでいう八幡大神とは、応神天皇ではないし、ましてや生目八幡(宇佐津彦)でもなく、元々の正八幡神である大幡主ではないかと考えるようになりました。むろんこれは推測に過ぎません。しかし、景行天皇という現王朝の関係者の行宮跡に、いわばマウンティングするかたちで建つ神社であることを考えると、あながち外れでもなさそうな気がするのです。

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前から見ると権現造なのかと思いましたが、縦の棟木で連結されておらず、破風なのがわかります。それにしても立派な社殿で、これだけのものを維持できた吉井商人の財力には恐れ入るばかりです。

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境内は広く、2千坪では済まないでしょう。掃除が行き届いているとは言い難いものの、御神池のほとりは散歩コースとして整備され、歌碑や天満宮の石祠などが各所に配置されています。

おそらく見落とした部分も多数あると思われますので、いずれどこかでじっくり再訪することにします。

福岡県神社誌:中巻207頁
[社名(御祭神)]八幡神社(応神天皇、仲哀天皇、神功皇后、三女神、埴安姫命)
[社格]県社
[住所]浮羽郡千年村大字若宮字高林
[境内社(御祭神)]日岡神社、月岡神社、豊受姫神社、琴平神社、猿田彦神、大三輪神社、高良神社、保食神社、天満神社、磯崎神社、春日神社、稲荷神社、大山咋神社、若宮神社、祖霊社
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2021.04.03訪問)