美風庵だより

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みのり苑「風韻伽羅」「調香五番」

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お香 みのり苑

みのり苑 風韻沈香 - 美風庵だより

みのり苑のお線香を試すのは久しぶりです。
前回は「風韻 沈香」でしたが、今回はその上位品である「風韻 伽羅」「調香五番」を試します。

みのり苑のお香 最高級線香 調香五番 ミニ寸20本入

先に、みのり苑で最も高級な「調香五番」に火をつけてみました。
初めてのお線香ですが、どこか既視感があります。すでに廃番となった日香の「特選伽羅大観」を思い出します。日香の「伽羅大観」シリーズは、普及品の「伽羅大観」と、その上位品(特選・極品。ともに廃番)でまったく別物でした。推測ですが、上位品がオリジナルで、合成香料に置き換えて価格を抑え、天然原料の品質のバラツキを補ったのが、現在も売られている「伽羅大観」だったのではないか、という気がしています。

品質のよい沈香・伽羅は高騰しており、香料を減らすか、値上げするか、品質を落とすかしないと、継続して製造できない状況です。調香五番をはじめて聞きましたが、かなり頑張っている印象をうけます。おそらくですが、むかしはもっと潤沢に高い香料を使った贅沢な香りがしたことでしょう。

世界の林業(4)〜沈香(じんこう)の人工的生産〜 | 智頭の山人塾

しかし、比較的安価な人工の沈香は、タイ、ベトナムミャンマーなどで生産されています。その方法は10年ほどのアクイラリア樹の幹に釘を打ち込んだり、ドリルで穴をあけたり、またドリル穴に特定の菌を接種したりして作られます。

上記は沈香の例ですが、数年ほど前から沈香だけでなく、伽羅の栽培が行われるようになり、現在、gあたり5,000円程度で流通しているものはずいぶんと栽培品で置き換えられたと聞きます。技術革新は行われているはずですから、原料供給の改善次第で、もっと香りの濃密な最高級にふさわしい製品になるのではないでしょうか。

もう天然物の高級品が、一般人向けの商品として動くことはあり得ません。栽培品の品質向上に期待するしかない状況です。

みのり苑のお香 風韻 伽羅 短寸 40本入

「風韻 伽羅」も、いまのご時世、この価格帯ではほとんど「伽羅」は使えません。聞いてみるとベトナム産?シャム?沈香の濃い甘い香りがベースで、おそらく「風韻 沈香」の沈香をグレードアップした製品と考えてよいでしょう。こちらも天然香料と沈香精油ベースで、合成香料で粗を隠す調香は行っていませんから、素材の持ち味がもろに出てしまっています。素材そのものを楽しむ向きには良いのですが、肝心の素材の品質で左右されるため、好みは分かれるかもしれません。

ただ、現在の沈香・伽羅の市価を考えればあきらかに頑張っていますし、火をつけて手軽に楽しめるお線香の魅力をかんがえれば、この製品はお買い得だと思います。
私がまだ学生や社会人なりたてのころ、g数千円台だった伽羅がいまやg5万だしても入手できなくなるまで高騰しています。品質を考えると、もしかすると当時のg数千円のほうが、いまのg5万より、上質だったかもしれません。そんな時代に、ほとんど価格転嫁せず製品を出荷していることを考えれば、ここで贅沢を言うのは、バチあたりというものです。