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福岡県神社誌で御祭神を確認すると、武内宿禰とその父(比古布都押之信命:彦太忍信命:ひこふつおしのまことのみこと)、母(山下影比売:やましたかげひめ)、弟(甘美内宿禰:うましうちのすくね)が祀られていることになっています。
建治元年(1277年)に高良山より勧請とありますが、玉垂命ではなく、その身代わり、投影先である武内宿禰のファミリーがずらりと祀られているのが気になります。
現地で社殿を眺めると、桐紋だけでなく、丸一文字紋と梅鉢紋も並べて御神紋とされているようです。
この神社はむかし、水田天満宮の御神幸祭の目的地だったことがあるそうで、梅鉢紋は、この神社が水田天満宮の影響下にあったことを示すものかもしれません。すると丸一文字紋は、この地を治めたかたの紋章でしょうか。
それにしても不思議なのは社殿の配置で、地図でもわかるとおり、楼門の先は、川(堀)です。鳥居と参道は90度折れた位置に建っています。
楼門を入ってすぐの位置に、写真手前が日吉社、奥が老松社と並んでいます。すると福岡県神社誌に出てくる素戔嗚社とは、社殿の向かって左手にあるお宮のことなのかもしれません。
そう思って、社殿横のお宮を拝謁させていただくと、これまた御神体の数が合いません。こちらのほうがよほど、真ん中が武内宿禰、向かって右手が御両親(彦太忍信命、山下影比売)、左手が弟(甘美内宿禰)のように見えます。
……すると、本殿に玉垂命が祀られているのでしょうか?
福岡県神社誌:中巻284頁
[社名(御祭神)]玉垂神社(武内宿禰、比古布都押之信命、山下影比売、甘美内宿禰)
[社格]村社
[住所]八女郡水田村大字井田字宮ノ脇
[境内社(御祭神)]日吉社(大山咋命)、素戔嗚社(素戔嗚尊、麓山祇命)
(2021.02.27訪問)