美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

2月3日の日録

生活困窮者です。

3日、山田松から焼香と練香が到着しました。

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煉香 玄妙 壷入(35g入) - 山田松香木店 オンラインショップ

焼香 歓喜香 30g入 - 山田松香木店 オンラインショップ

焼香 鳳城香(極品) 30g入 - 山田松香木店 オンラインショップ

今回、半分興味本位で30g330円の焼香も注文してみました。
いちばん高いグレードのものと、最も安いグレードのものをひとつずつ注文した格好です。同じ量で価格差40倍。どのくらい違うものでしょうか。

数年ほど前から、どこの線香屋(香木商)も「伽羅や天然沈香はすでに枯渇」といった内容をホームページで書いていました。店頭で店員に同様の説明を受けたりもしましたし、各社、高級線香の終売も相次ぎました。
けれども、急にバタバタとそんなに一気に状況が変わるものなのか、不思議に感じていました。

ベトナムの沈香 越南香木 再編集版 | 茶の穂 香木と中国茶のブログ

おそらく高品質な天然沈香はなかなか採集できないことは間違いない、 伽羅も枯渇したというが香聞き込みや、現地の新聞や情報を見る限り、実際には産出されているのは確かである、問題は価格と品質の相応が取れず、日本に入ってこない(輸入に値する価格でない)品質の低い物を入荷したとしても、需要はあるのか?という意味でもありそうだ。

どうもこのブログに書かれているとおり、ベトナムなどの産地ではいまも細々と産出しているようなのです。ただ、その流通価格は線香屋(香木商)の手が出るものではありません。品質面でも日本人の好みと折り合わず、たまたま発見しても外国勢に買い負け、その理由を「資源の枯渇」と言い訳してきたようなのです。これなら、生活困窮者も肌で感じる現在の状況をたしかに説明できます。

ベトナムの沈香 越南香木 再編集版 | 茶の穂 香木と中国茶のブログ

現地の情報を多数入手しましたが、基本的には日本国内で買うほうが値段は安い模様です。以前に外国のテレビ放送で香木の特集があり、香木の業者はベトナムでなく、なんと、日本から輸入しているというインタビューがありました。

産地ではなく日本から輸入するという記述は、一見奇妙に見えるものの、それだけ香道家、愛好家そして線香屋(香木商)などが、昭和バブル期にしこたま退蔵していたと考えれば納得がいきます。

コロナ不況以前の外国人客による爆買いが何故起こりえたのかも、これで理解できます。昭和バブルの時代に輸入し退蔵されていた高級香木は、元の仕入れ値が安かったため売値も安く据え置かれており、それに目をつけた外国人の爆買い対象となったのです。

大金を払っても香木を買い求める愛好家の数は知れていますし、そういう人たちは自分たちなりにすでに香木を退蔵していますから、急に買い漁る動機がありません。財力がないと香木なんて買えませんから、これから買い揃えて新規でこの世界に入ってくるひとは少数です。そんな金欠の貧しい日本人を相手にするより、豊かな外国人に退蔵している高級香木を買ってもらったほうが手っ取り早く儲かるわけで、爆買いの真相とはそういうところにあったのだという気がします。

問題は、現地で買い負け続けて新規輸入が途絶え、当座の金目当てに昭和バブル期の退蔵分を手放し、いよいよ線香屋(香木商)が汲々としてきたという点でしょうか。

とはいえ長期的にみれば、ある程度のところで下げ止まるはずです。線香屋(香木商)は細々と続いていくことになるでしょう。

団塊世代後期高齢者にさしかかろうかとする今、昭和バブル期に個人が買い漁った高級香木を、遺族が高値買取につられてどんどん現金化する時期がいずれ到来するのは見えています。それに、寺院も檀家の減少で経営が困難になり、退蔵した高級香木を手放さざるを得なくなっていきます。いわばリサイクル市場でいう「都市金山」状態が、日本には存在するのです。

それをきちんと回収し、線香屋(香木商)が外国勢に買い負けないことが前提ですが……。
 
考えれば考えるほど、次の10年後に、果たして何が注文できるだろうか?という気になります。

或る意味、楽しみでもあるのですが。