松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

東京交響楽団 名曲全集第162回

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ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集第162回:公演情報│ミューザ川崎シンフォニーホール

日時
2020年12月20日(日)14:00開演
会場
ミューザ川崎シンフォニーホール
出演
指揮:秋山和慶
ソプラノ:森野美咲
メゾソプラノ:鳥木弥生*
テノール:小原啓楼
バリトン:大山大輔
合唱:新国立劇場合唱団*
*当初発表の出演者から変更となりました(10/24)
曲目
ベートーヴェン:劇付随音楽『エグモント』序曲
ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調op.125「合唱付」

12月20日、ミューザ川崎で第九を聴きました。

コロナウィルスの猛威を考え、(GOTOで航空券などがキャンセル代免除ということもあり)18日ぎりぎりまで入場券を放棄するかどうか悩みました。しかし、秋山さんも来年で80歳ということを考えると、行けるうちに聴いておくべきと思いなおし、飛行機に乗って上京です。

この「第九」上演にこぎつけるまで、関係者のたいへんなご尽力があったようです。
なんとか年末の第九が聴けるようになっただけでも、感謝しなければなりません。
たしかにクラシックの演奏会は黙って聴いているわけですから、理論上は感染しにくい場所です。
ただ、心情として不安があるのも事実で、「なるべく早く切り上げよう」という暗黙の了解を、主催者側・観客側が共有していた気がします(笑)

会場の埋まり具合も半分ほどだったでしょうか。ずいぶん昨年と様変わりしました。出かけることへの不安もあるでしょうし、年末にそれどころではなくなっているひとも多いのでしょう。

秋山さんの動きが音になっていく姿は、いつ見ても惚れ惚れします。着座している場所からは東響の皆さんが応じる姿も観ることが出来、互いの呼吸が合って音になるさまを、耳と目の両方で楽しむことができます。客の入り具合のせいか、それとも自分が着座している場所の特性なのか、細かい音もじつによく聴こえます。

第3楽章に入る前に歌手のかたが入場してきたとき拍手が起こり、秋山さんが右手をさっと出して拍手をやめるよう求める場面がありました。いつも思うことですが、すべての客が、4曲でひとつの音楽、途中の演奏家の出入りで拍手はしない(これは芝居じゃありません)という認識を持っているとは言えません。朝比奈さんが「第九の夕べ」でやっていたように最初から全員舞台に乗せてしまうほうが、よいかもしれません。

舞台の熱気に、強制換気で寒くなりすぎないように暖房をかけまくったホール内部で、最初から舞台に乗せてしまうと、歌手の方は大変でしょうが……。

締めくくりの蛍の光も、いつもなら秋山さんが後ろを向いて観客にも一緒に歌うよう促すのですが、今回はその姿はありません。どこか粛々と進行していきます。たしかにみんなで歌って盛り上がるご時世ではないと判っていても、寂しいものです。

合唱団・東響の皆さんが舞台から去ったあとも、しばらく拍手がつづいていました。あぁ、この会場に来たひとは、年末にミューザ川崎で秋山・東響の第九を聴きにきた皆さんだったんだと、改めて気づいた瞬間です。

第73回定期演奏会 NAGOYAシリーズ③ ‟マエストロ秋山のモーツァルト後期"名"交響曲シリーズ② | 中部フィルハーモニー交響楽団

正月あけて1月16日、中部フィルの演奏会です。
状況によっては参加は難しくなるかもしれません。その際は、航空券代は戻ってくるでしょうが、入場券代はお布施ということになるのでしょう……。