松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

家相は有効か。

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2019年1月ごろ、知人が土地を購入し新築を建てるのにあたって家相の話を書かせていただきました。

あれからいろいろとあり、やっとこ引っ越しまで漕ぎつけたとのことで、引っ越し作業が始まる前に再度現地を確認したかったのですが、台風10号で行けませんでした。コロナ不況を乗り越えてやっと完成した家だけに、まだ入居前の家具などがはいらない状態でチェックしたかったのですが……。

 

以前、家相の話を集中的に書いたとき「家相なんて当たるのか」という質問をずいぶんいただきました。今回、生活困窮者本人の自宅の間取りを例に、ポイントを再度書いてみたいと思います。

上掲の画像2つのうち、左は、生活困窮者が暮らしているマンションの間取りの一部を示したものです。右は、生活困窮者が家相をかじりはじめたころに購入した本に掲載されていた早見図です。死門とあるのが北東にあたり、一般的にいう「鬼門」に相当します。なお、北東が死門となるのは、生活困窮者が甲寅日生まれだからで、すべてのひとがそうなるわけではありません。

この早見図は、いわば試験のアンチョコにあたるもので、急に確認したくなったときのために、iPhoneに保管しているものです。

見比べるとわかるとおり、水回りにあたる浴室が北・北東に位置しています。もし家相に詳しいかたなら、このマンションには手を出さないでしょう。北東の水回りと欠は大凶であり、家運衰退子孫断絶とされているからです。また南西が出っ張っているのも、良くありません。

たしかに引っ越ししてすでに12年経ち、あいかわらず生活困窮が続いています。人生好転のきざしはなく、むしろ「荒天」とも「転落」とでもいうべき状況です。けれども、この10階建てのマンションの上から下まで同じ間取りの全員が不幸になっているかというと、そんなことはありません。なにが違うのでしょうか?

家相の本が、どこか間違っていることになるのでしょうか。

生活困窮者のように、前の仕事場を追い出され、孤独死予備軍として汲々と暮らし老後に不安を抱えている人もいれば、子どもが巣立ち、年に数回海外旅行に出かけて悠々自適に暮らしている人も、業界団体の専務理事になり多忙ながら蓄財にはげんでいる人もいます。北東の水回りはどれも同じなのに、どうしてここまで人生に差が出るのでしょうか?

いろいろ試行錯誤した結果、どうやら買い主(戸主・世帯主・大黒柱)の運勢のほうが優先するのではないか、と考えはじめています。そして、もう一つは地勢、いわばその町や国の運勢そのものは超えられない気がします。

四合院 - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/43/Siheyuan_model.jpg/320px-Siheyuan_model.jpg

wikipediaから引用しました)

以前にも書いたことですが、家相を突き詰めてくと、中国の伝統建築である四合院にたどり着きます。中庭で採光し、壁・塀で周囲の運気を遮断し、家の中心と玄関をずらして、外部の影響を遮断する。この造りを念頭に、日本家屋にあてはめて吉凶を考えるようになったのが、家相ではないかとにらんでいます。

しかし、時代はかわりました。トイレも昔のような汲み取り式か、川に流すしかない時代ではありません。水洗+下水道の時代です。台所もIHと電子レンジで火気は使いません。風呂も家庭によっては水をためっぱなしにしない(個人ごとにためかえる)時代です。でかいたらいに粉せっけんを入れてぬるま湯で溶かし、衣服をよくもみ洗いしてから、洗濯板でさらにごしごしやって……そんな時代ではありません。今は洗濯乾燥機があります。水回りは、昔ほど水を溜めこむ場所ではないのです。

すると「北東の水回りはよくない」というより、「北東に(水道管・下水管ふくめて)溜め水が出来る場所をつくらない」としたほうが、より的確にダメな要素を回避できます。それを理解しておけば、北東につくった物置に、大量の水を備蓄し、せっかくの間取りを台無しにすることも防げるのです(実際にそういう事例をみたことがあります)。

建てるときの家相も重要ですが、おそらくもっと重要なのは、日ごろから凶を避けることではないか?そんなふうに考えています。むろん、建物はそう簡単にいじれないため、おカネがあるなら積極的に家相を検討すること自体は悪くないでしょうが。

あと、もう一点重要なのは、家相にこだわっても家運そのものの寿命は超えられないということです。むかしの百姓ではあるまいし、現代のような給与生活者全盛の時代、先祖代々その土地に居つく可能性は限りなく少なくなっています。家も100年持つことを前提にするのではなく、家を買った世代が死ぬまで持てばOKの時代です。家相で長期的な幸福を呼び込むことより、もっと短いスパンを念頭に置いた金函玉鏡であるとか、風水を重視し、買い主(戸主・世帯主・大黒柱)の運勢とからめて検討したほうが、良いかもしれません。

林巨征さんの本に、金函玉鏡による家相判定の章があり、ここにひととおり押さえるべき内容が書かれています。生活困窮者にとって吉相の生門が南西にあり、ちょうど書斎に使っている部屋の位置です。生活困窮者は引っ越しが決まったあと、いろいろ試してみて結果として書斎をメインの住処にしたのですが、後から読んでも思いあたるふしがあり、当たるものだなと驚きました。

結論から言うと、家相は考慮しないよりしたほうがよいのですが、もっと短期的には、風水などほかの占いが効く、と理解しています。おそらく、多少でも占いをかじった方なら、同意いただける方も多いのではないでしょうか。