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三井郡大刀洗町春日 高良坂本神社(坂本宮) - 美風庵だより
明治の神仏分離で日吉神社と名乗ることとなった神社はたいてい「山王宮」だったわけですが、これが玉垂命の子 坂本命を祀る坂本山王宮なのか、大山咋(おおやまくい)を祀る山王宮なのか、それとも違う御祭神を祀る山王宮なのか、いろいろあって迷うところです。神社めぐりシリーズをはじめる前は、日吉神社=山王宮=比叡山=大山咋(大物主)という構図だけで考えていたため、ほとんど判っていなかったといって過言ではありませんでした。
後述の理由から、境内の案内板のとおり、大山咋(大物主)を祀る山王宮だと、いちおうは仮定しておきたいと思います。ただ、大山咋は天之忍穂耳と市杵嶋姫の子で、大年神は天之忍穂耳の別名であり、市杵嶋姫の父親がスサノオで、なぜ親を騙る必要があったのか、どうもこの点は謎です。
どうも小郡・鳥栖辺りは、山幸彦(猿田彦)の痕跡と、海幸彦(天之忍穂耳)・大山咋(大物主)の痕跡が入り混じっている印象をうけます。
すでに私たちは、牽牛と織姫の伝承が日本では天之忍穂耳と市杵嶋姫に重ねられてきたことを知っています。その二人の息子が、市内中心部ど真ん中で山王宮として祀られていると考えれば、福岡県神社誌や現地案内板を疑いすぎる必要はなさそうです。
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福岡県神社誌:中巻206頁
[社名(御祭神)]日吉神社(大山咋命、事代主命、木花開耶姫命)
[社格]村社
[住所]三井郡小郡村大字小郡字下町
[境内社(御祭神)]倉稲魂神社(倉稲魂神)
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(2020.04.11訪問)