美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

6月1日の日録

5月31日、16時に甘木を出て、知人宅に行ったあと嘉麻市大隈町の北斗宮を再訪した。
ほぼ1年ぶりの北斗宮である。妙見信仰のひろがりを理解するための重要拠点であり、おそらく大昔は熊襲の大拠点だったのではないか、ということを昨年書いた。
どうもこの文章について評判を聞くと「熊襲の拠点」というのが気に入らなかったらしい。熊襲=朝敵というイメージが、高齢のかたを中心に刷り込まれているせいだろう。過去の王朝の大拠点なのだからむしろ古さを誇りにしてもよいはずなのだが、そうは考えないらしい。
今回、福岡県神社誌を再確認しながら現地を再訪し、たんなる妙見信仰のお宮ではなく、大幡主や大山祇の影も残っていることに気付いた。要は博多のお櫛田さんと妙見信仰が混然となった存在であり、英彦山とも玉垂宮とも違う、格別の場所なのである。
問題は、境内のお手入れがだいぶ困難になってきていることと、神社がある大隈町の衰退が誰が見てもあきらかなことだろう。これだけの遺産が衰微していくなんてことになれば、過去の王朝の記憶が失われることになってしまう。
個人的には322号が全線開通することで、重心が南下していくと考えてはいるものの、はたして交通の改善効果が出るようになるまで、この大隈町そのものが生き延びているかどうか……。

福岡県宮若市の地図(スクロール) | ゼンリン地図・いつもNAVI

今日、再訪した感想を書きながら、宮若市黒丸にも「北斗宮」があるのに気づいた。
北斗宮からの分社なのかと思ったら、どうやら現地では飯塚市(旧嘉穂郡庄内町)多田の日若神社からの勧請と伝えているらしい。
……どうやら久しぶりに遠征が必要なようである。どのような日程がいつ頃組めるか、少し考えてみることにする。

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ライチを神棚にお供えした。もともとは伯母の「母の月」用に送ったものだが「こんなには要らない」とのことなので、神棚用に4,5個だけ分けてもらった。
ライチなんて何年振りだろうか……。むかしはもっと酸っぱかった印象があるが、驚くほど甘くてさわやかである。債務超過解消のためぎりぎりの生活を送っている者としは、たまの贅沢が身に染みる。