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現地に到着すると、なかなか立派な社殿に驚きました。しかも一段高いところに社殿があり、少し下がったところに前庭がある、貴人が号令をかける場所としての造りをしています。現在は天満神社となっていますが、もとはこの地を支配した権力者の拠点だったのかもしれません。
神社めぐりをしていると、同じ平地にある神社でも(1)境内と社殿の配置が真っ平(2)前庭があり、一段盛ったところに社殿がある、という2類型のいずれかであることに気づきます。(2)については、皇后や親王といった身分の高いひとの伝承を伴っているケースが多いため、この天満神社も、元から菅公だったはずはないと思えるのです。
どうやら理解の鍵は、正面向かって右手にあるこのお宮にある気がします。
福岡県神社誌でいう天満神社でしょうか。
御祭神に、木花開耶姫と加具土命(金山彦)が居ます。
木花開耶姫はすでにこの日記にも何度も登場した、大山祗の娘です。まだ大山祗が月読命と名乗り、天照大神と仲が良かったころ、天照大神と高木大神(高皇産霊神)の息子 ニニギと夫婦になります。
両者の勢力の境界上にあった嘉麻市馬見の馬見神社は、この婚姻を祝う記念建造物としての性格を持っており、観念上は高天原なのです。神武天皇が馬見に向かった鹿毛馬の伝承も、その重要性を神武天皇が知っていたからこそ、訪れたのです。
しかし、大山祗と金山彦の抗争が倭国大乱であったことを考えると、なかなかこの境内社の御祭神は、すごいものを感じます。この両者を考えると、本殿は曲がりなりにも大乱を収めたスサノオさんでもよさそうな気もするのですが……。
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[福岡県神社誌(抄)]中巻222頁
[社名(御祭神)]天満神社(菅原道真)
[社格]村社
[住所]浮羽郡水縄村大字益生田字寺屋敷
[境内社]天満神社(菅原是善、木花咲耶姫命、加倶津知命)
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(2020.02.23訪問)