5時半に起牀し檢温すると36.1度であつた。
あひかはらず首筋や肩がだるく、熱が出る前のインフルエンザのやうな状況を呈してゐるが、行かなければ仕方がないため仕事に出る。ただ、段々と全身のだるさは輕くなつてきてゐるので、症状は快方に向かつてゐるに違ひない。
土日、いろいろな話が耳に入つてきた。
觀光バス專業の某社では賣り上げが前月比98%減とのこと。全社員に月曜日(つまり今日)、4月分の基本給までは保障するが、それ以降は基本給すら拂へないので、暇をみて職安に通ふやう通知をするとのことであつた。會社都合退職として扱ふためいつたん廢業する手續きも税理士や社勞士に相談してゐるとも言つてゐた。似たやうな話はほかにも聞こえてくる。
近所の料飮店でも「とうぶん店を閉めてバイトに出よう」と云ふ話が店主から聞こえてくる。
近所の小さなお店に限つた話ではない。個人事務所の客先との會話では、福岡市博多區や小倉北區にある大人の遊園地(所謂性風俗産業)も、超濃厚接觸を嫌つて殆ど客が居ないらしい。外國人OKだつた店は、肝腎の來訪者が激減して賣り上げがさつぱりなのに、さらなる追ひ打ちとなつてゐるとのこと。店によつてはとうとう半額料金を打ち出したところもあるやうで、既にリーマンショック以上の衝撃が走つてゐる。
株も賣り込まれてゐる。
赤貧が持つてゐる株はすべて現物株である。信用賣買には手を出してゐない。株主優待狙ひで所有してゐるモスバーガーをはじめ、どれも含み損しかない。ただ、信用賣買ではないため、鹽漬けにして配當と株主優待をこつこつもらひ續ければよく、そこまで傷を負つたと云ふ感じはしない。
投資信託や純金、MMFの積立にしても、基準價格が下がればどんどん買ひ増すだけなので、むしろ株安円高は大歡迎である。
唯一氣がかりは豪ドルのFXで、2018年2月に建てた88圓と85圓が1枚づつ殘つてゐる。豪ドルと日本圓の金利差があるため、これまでに約3萬圓のスワップ(利息みたいなもの)をいただいた。出來ればこのまま外貨預金代はりに寢かせておきたいのだが、FXは證據金取引なので、證據金を追加で入れておかないと、損切りされたら根こそぎ持つていかれてしまふ。證劵會社の口坐に預けてゐる現金のうち、20萬圓をFXの證據金に積み増す。
先日、ゲリー・カー獨奏、朝比奈隆さん指揮大フィルの演奏による「ドヴォルザーク:チェロ協奏曲」を久しぶりに聽いた。再リッピング作業中に見つけて、懐かしくなり久しぶりに聽いてみたのだが、じつによい。朝比奈さんがコントラバスとゲリー・カーを色物扱ひせず、眞つ向から取り組んでゐるため、とくに第2樂章は、そこらへんの録音なぞ、全く敵ではない。
ゲリー・カーのほかの録音を聽きたくなり、CD2枚贖入した。1枚は、バッハの無伴奏全曲で、もう1枚は、小品集とでも云ふべき小品である。赤貧の好みとしては無伴奏は5番なのだけれど、CDの曲順が3番からだつたので、無伴奏の3番を繰り返し聽いてみる。ロストロポーヴィチのやうな大きな音で明るく響く演奏ではない。もつと地味だが歌心にあふれたしんみりくる演奏である。じつくり聽き入つてしまふ。