松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

3月2日の日録

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2日、歸宅後に再リッピング作業の續きをする。
2月29日、3月1日と頑張つた御蔭で、殘りは朝比奈隆さんのCD群の約半分のみとなつた。
朝比奈さんに關して言ふと、所謂「同曲異演」が多いため、CD讀み込み前のタグの整理などに時間を割かれなくて濟むのが大きく、仕事がはかどる。冩眞はブルックナーの録音の一部で、黒い大きな箱に入つてゐるのは、ディスク・ジャン・ジャンのブルックナー全集である。これもリッピングしたデータから聽くことはあつたが、箱から取り出すのは數へるほどしかなかつたはずである。しかも最初期にリッピングしてゐるから、AACの128kbpsの音質的に充分とは言へないものを、後生大事に聽いてきたことになる。
あらためて聽き比べると、雰圍氣が違ふ。赤貧の老化した耳でも細かい音の雰圍氣に違ひがあるのがわかるから、相當なものなのだらう。考へてみれば、最初に買つたiPodは60GBだつたから、それを前提に動いてゐたとも云へる。
今囘の作業で氣づいたのだが、よく聞く曲はあとで同じAACでも320kbpsでリッピングし直したりしてゐる。どうやら音の良し惡しを氣づくときは氣づいてゐたと云ふことか。さうなるとこのディスク・ジャン・ジャン盤は、壓縮音源でも殆ど不滿なく聽いてきたことになる。ALACで改めてリッピングしなほしてみると、だいたい700kbpsのビットレートを示してゐる。クラシック音樂は、歌謠曲と比較して音量や音壓の差が激しい。下手するとこれが400kbpsくらゐの音盤に出くはすこともある。かう云ふのはボリュームを上げてやらないと、音量の小さい樂器は何をやつてゐるかもわからない。これは、收録時の音割れを囘避するために思ひ切つた調整をしなかつたと云ふことなのだ。
このディスク・ジャン・ジャン盤は、傳説の録音技師 吉野金次さんの手になるもので、結構どれもビットレート値が高い。
ビットレート値が高いものは、壓縮しても聽きやすいことが多い。意外なことだが、MP3やAACに變換して輪廓が殘るのは、ビットレート値が高い録音なのだ。これは各自で實驗してみてほしい。すぐわかる。
すべてALACで再リッピングしはじめて、いつの間にかNASに保管してゐるデータ量が340GBを超えてゐる。
iPod classicが160GBだつたので、倍以上のサイズになつたことになる。
文机の上のぶんは、あくまでも書棚の棚ひとつ分にすぎぬ。まだこの棚が3段あるのだ……トホホ。