美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

飯塚市鹿毛馬 厳島神社


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itsukushima.org福岡県神社誌を「厳島」でフィルタリングすると、48社が該当します。そのなかで唯一の県社です(村社が11、無格社が36)。ついでにいうと、旧嘉穂郡内で最初に県社昇格した神社でもあるのです。
どうしても私たちは、厳島神社というと「安芸の宮島」をイメージしてしまうため、なぜこの内陸にこれほど由緒正しい厳島神社が存在するのか、不思議に思えてしまいます。
福岡県神社誌では、宗像三女神豊前国宇佐から筑前国宗像郡に移る際の古跡であるとされています。おそらくはこれが県社に認定されたきっかけなのでしょう。
しかし、すでに私たちは久留米市北野町の赤司八幡宮をはじめ、各地域の神社を訪問して由緒を確認し、市杵嶋姫は宗像族、湍津姫は宇佐族、田心姫(豊玉姫)は筑紫君、それぞれの一族を代表する姫君であることを知っています。そして、この三人をむすぶのは、全員が大己貴(大国主)の妃であったという縁も、理解しています。
つまり、厳島神社宗像大社も嫁だけが祭神として残り、彼らの亭主であった大己貴(大国主)が消されているのです。
石柱には、三ツ盛亀甲紋が彫られています。亀甲紋は、博多櫛田宮にお祀りされている大幡主から大己貴(大国主)に受け継がれた紋章です。博多櫛田宮は三ツ盛亀甲に五三桐紋であり、厳島神社は三ツ盛亀甲に剣花菱紋という違いはありますが、筑紫君=玉垂命が「道主貴」と尊称を与えた神功皇后の姉 田心姫(豊玉姫)が三女神のなかの一人であることを考えれば、御理解いただけると思います。剣花菱紋は、筑紫君=玉垂命が使用した紋章のひとつであることを、すでに私たちは折々で確認してきました。
三女神を結びつける存在の大己貴(大国主)について触れることが出来なかったため、宇佐から宗像に移る際の古跡という由緒を誰かがひねりださざるを得なかったのでしょうが、各地の名族から(政略結婚で)差し出された妃たちであることを理解すれば、厳島神社のほんとうの祭神は、宗像三女神ではなく、大己貴(大国主)であることは簡単に察していただけると思います。
安芸の宮島にある厳島神社という、平家マネーで建設した豪華なモニュメントだけを見ても、このあたりはわかりません。赤貧も数年前までは、まったくわかっていませんでした。おそらく神社関係者はわかっていると思います。けれども、大国主、大幡主、大山祗、ナガスネヒコ、建御名方、筑紫君=玉垂命といった現皇室以前の支配階層は、ながい歴史の中で、よほど根強い信仰でもないかぎり上書きされてしまっており、敢えて引っ張り出して異端視される必要はないとも考えているのでしょう。ことを荒立ててしまうと、生き延びる道を閉ざしていしまいます。
この厳島神社には相殿で牧野神社も併せて祀られています。神武天皇豊前国から嘉穂郡馬見へ移動する途中に立ち寄った際、馬牧(馬飼い)が馬を献上したことから「駈馬」→「鹿毛馬」という地名となったという伝承が、福岡県神社誌に記載されています。

飯塚市中 撃鼓神社 - 美風庵だより

併せて、大山祗が祀られている点も興味深いものです。すでに私たちは飯塚市中 撃鼓神社を訪問して、大山祗の拠点であった可能性について考察しました。この鹿毛馬地区も、大山祗の支配下であった可能性があります。

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久留米市北野町中川(安永) 天満神社(天満宮) - 美風庵だより

境内に、猿田彦の石碑のほか、須賀社・稲荷社・徳満社を祀るお宮があります。
福岡県神社誌では、徳満社は大己貴を祀るとされているのですが、社殿の妃たちとの兼ね合いで、大己貴(大国主)をここに退避させているものと思えます。ほんらいの筋から言えば、徳満神とは田心姫(豊玉姫)の父親である海神 豊玉彦のことです。田心姫の父君を、しっかりと親子で祀っているのです。
神社に残る由緒をこつこつ調べる努力を放棄し、記紀という崇神王朝(とその後身である現皇室)のプロパガンダの書を丸のみにすると、このあたりの関係が見えなくなります。過去の支配層を塗り消して自らの正当性を書き連ねるのは支配者の身勝手であり、朝鮮の檀君神話を笑えない状況であることは、肝心の神社関係者がいちばん理解しているはずです。皇室の方々が一般人扱いされたがっている昨今、もうそろそろ口をひらいてもよいころなのではないでしょうか?

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来る途中にぱらついていた雨があがり、紅葉と銀杏のコントラストの美しさが目に入り、センスがないことは自覚しつつも2枚ほど撮影してみました。境内の清浄さは、ここ最近訪問した神社の中でも群をぬいていました。
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[福岡県神社誌(抄)]上巻304頁
[社名(御祭神)]厳島神社(市杵嶋姫命、田心姫命湍津姫命)牧野神社(狭野命、大山積命、保食命倉稲魂命
[社格]県社
[住所]嘉穂郡頴田村大字鹿毛馬字宮
[境内社(御祭神)]須賀社(素戔嗚命)稲荷社(保食命)徳満社(大己貴命
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(2019.12.02訪問)