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集落のほぼ真ん中にある天満宮です。地域の集会所とコミュニティバスのバス停が併設されており、おそらく昔からこの地域の自治の中心だったのだろうと思われる立地です。拝殿を眺めていると、昔ながらの束石の上に柱がのった構造が目に留まります。
この構造はもはや古い神社くらいしか見かけなくなりましたが、最も地震につよい構造でした。普段は屋根瓦の重みで抑え込み、地震がきたら屋根瓦が下に落ちることで頭が軽くなり、ポンポンと跳ねることで全体の破壊を防ぎます。日本人の木造家屋建築の知恵の結晶といえるものでしたが、生活様式の変化により、利点は欠点になりました。
現在のように電線や水道管が引き込まれている状況では、建物がポンポン跳ねると断線の危険があり、水道管や下水管が破れたり、電線が切れれば事故や火事の原因になってしまいます。つまり、単独で存在し続けるかぎりは最高の回答であっても、インフラを引き込んでしまうと、利点は欠点に早変わりしてしまったのです。
それに、いまの住宅にはピアノや家電製品などの重量物がたくさん存在します。むかしのように、板間にござや置き畳で暮らし、灯火はロウソクの時代ではありません。
いずれこの神社も建て替える必要に迫られることがあるでしょうが、そのとき、どんな感じになるのでしょうか。ふと、考えてしまいました。
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[福岡県神社誌(抄)]下巻411頁
[社名(御祭神)]天神社(菅原神、稲倉魂命)
[住所]朝倉郡福田村大字白鳥字富永屋敷
[境内社(御祭神)]記載なし。
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(2019.11.4訪問)