美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

田川郡添田町落合 大祖神社(妙見宮)


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落合小学校から小石原方面に向かう国道500号に向かう細い町道の途中にある神社です。鳥居の扁額には、「妙見宮」とあります。
地元のかたが作成したとおぼしき案内板には、御祭神がイザナギイザナミ、天之忍穂耳とあります。

妙見宮にしては組み合わせが妙なので福岡県神社誌を見ると、天之忍穂耳、オオヒルメノムチ(天照大神卑弥呼)、イザナギ罔象女神(ミズハノメ)、イザナミ猿田彦とあります。
元禄年中(1688年~1704年)に分村した際、あらためて高木神社の御祭神を勧請したとのことで、天之忍穂耳はそのときに加わったのでしょう。

ただ、下落合地区の高木神社を念のため調べると、御祭神は高皇産霊神(=高木大神)、少彦名(=事代主=えびすさま)、栲幡千々姫(=万幡秋津姫)となっており、ずいぶんと異なります。すでに津野地区、油木ダムのほとりにある高木神社を訪問し、私たちは、高木神社には事代主が母方の血縁者を祀る類型のものがあることを知っています。どうも下落合の高木神社はその系統のようなのです。とすれば、天之忍穂耳をあらためて英彦山本山から勧請したのかとも思えます。

妙見宮なのに天之御中主が居ないのも不思議です。福岡県神社誌では天照大神があるので、おそらく混同したのだろうと推測も成り立つのですが、現地の案内板では堂々と消されていますから、なにか理由があるのかとも思います。

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境内には立派な須佐神社(=祇園社)があります。福岡県神社誌では、御祭神は五十猛神(=ニギハヤヒ猿田彦)、スサノオ奇稲田姫です。天照大神から追放されたスサノオが朝鮮から日本に舞い戻る際に手引きをしたのが五十猛神である伝承を考えると、二つの社殿にそれぞれスサノオとオオヒルメノムチ(=天照大神卑弥呼)を分けて配置した意図もわからなくはありません。

神話や伝承に詳しい者が、この土地に居て、神社となる際に考証した結果、現在の祭神をあてはめたのでしょう。その際、考えすぎていじりすぎたのかもしれません。

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神社を歩き回っているあいだ、ずっと背後にある滝の音がしていました。ゆたかな水量の滝に、地元のかたがお祀りしたと思われる短冊があり、妙見信仰はいまもこういうかたちで生きているのかと感じ入りました。
(2019.08.17訪問)