美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

「そして誰も信じなくなった」

 

 土屋賢二さんの毒にも薬にもならないが、寝る前の清涼剤にはなる一冊です。
内容はマンネリの極致で、毎回よくこれで原稿料がいただけると驚くほどです。
土屋さんの本は題名が勝負のところがあり、過去でいえば「妻と罰」「不要家族」「不良妻権」あたりが気に入っているのですが、この「そして誰も信じなくなった」というのもなかなか良いと思います。むろん「誰も信じられなくなった」のではなく、あまりに日常を描かれすぎて周囲がよりつかず信用されなくなり「誰も信じなくなった」のです。
このヒネリがあるから、内容がマンネリでも続編が出るのかな、という気がします。
赤貧のような固定客が居るからという気もしなくもないのですが。