松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

大辞林第4版

www.monokakido.jp

f:id:bifum:20190906043531p:plain
f:id:bifum:20190906043534p:plain
f:id:bifum:20190906043537p:plain

物書堂さんから「大辞林第4版」のアプリ版がリリースされたので、さっそく購入してダウンロードしました。
寝起きでまだ暗い時間だったため、試しに、「あさぼらけ」を精選版日本国語大辞典と引き比べてみました。
「精選版~」のほうが語釈が詳しいので言葉の背景を知るにはよいのですが、大辞林は短く、簡潔に書かれています。ちなみにこの「あさぼらけ」に関しては、第3版と第4版で語釈に違いはありません。
個人的には「ほのぼの」と表記している点がどうかな?という気はします。
「ほのぼの」は、もともと「仄仄」で「明暗がはっきりとわからない」ことを意味しているのですが、ここから、「こころにそれとなく明かりがともるようなやさしさ」を表現するようになっていきます。要は、まっくらな世界から空が白んでいくさまを、ひとの感情にあてはめているのですが、いま、「ほのぼの」と言われて、夜が白んでいくさまがぴんとくる若者がどのくらいいるんだろう?と思えるのです。ただ、「あさぼらけ」に「ほのぼの」を選択するセンスは、辞書編集者の勘のたしかさでもあって、あまり言うと言いがかりになりかねない部分でもあるのですが……。

【特設サイト】大辞林 第四版|三省堂

【三省堂】大辞林 第四版 | 言葉と知への水先案内、令和の国語辞典最新改訂第四版 | 三省堂 WORD-WISE WEB -Dictionaries & Beyond-

書籍版のほうは、まだ買うかどうか思案中です。
赤貧がはじめて大きな国語辞典を購入したのは、広辞苑第3版でした。
その後、1988年に大辞林の初版が出て、それ以降は大辞林が出たら買い替える感じでした。
もっとも利用したのは、大辞林の初版と第2版で、辞書の腹の部分に手垢でくろい線が出るくらい愛用していました。状況が変わったのは、第3版のころで、パソコンには辞書ソフトをインストールし、シャープの電子辞書を持ち運ぶようになり、検索のはやさ、便利さに圧倒されてまったく紙の辞書はつかわなくなりました。
いまでも恐ろしいほどピカピカです。はたして、そういう状況なのに、敢えて第4版を買うか……。
ただ、いくらいま出版社が辞書コンテンツをデータとして事業者に販売し、アプリやホームページに使わせて金をとる商売に鞍替えしたとは言っても、紙の辞書に御布施をしないと、次の改訂版が出ない可能性がある時代になってしまっています。それを考えると、次への「お布施」、それもamazonではなく市中の書店で購入する必要があるとも思えるのです。
すぐには無理ですが、いずれ購入することになるでしょう。
(2019.09.06記述)