美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

「純米酒を極める」

純米酒を極める (光文社知恵の森文庫)

純米酒を極める (光文社知恵の森文庫)

 

 2011年に初版の本です。先日紹介した「純米酒 匠の技と伝統」とかぶっている内容も多いため、2冊買うともったいない気もします。先日の「匠の技」は、酒造技術者向けの内容で、こちらは飲む側にたいする啓蒙書だと思えばよいでしょう。

赤貧がまだお酒にこだわりをもっていたのは2000年ごろだったかと思います。その後、日本酒よりもウィスキーにながれ、いまはほとんど口にしません。ここに書かれていることも或る意味では常識となりました。むろん、逆に彼が唾棄していた新技術もまた隆盛をきわめてはいるのですが。

ただ、糖質ゼロの日本酒といった誰が好んで呑むのかわからないものが商品化され、それがいまだに生きながらえている現状をみると、この先生がかんがえているよりもずっと、多くのひとにとって日本酒もまた「アルコール飲料」にしか過ぎなくなっていたという気が強くします。酔えればよい、という時代に、旨み、ふくらみ、味わいを求める酒造りは片隅においやられた感もあります。

しかし、誰でも気づくことですが、ちゃんと作った日本酒は悪酔いしません。その文化を日本に根付かせることができたことが、彼の起こした運動の成果です。こういうのを読むと、また日本酒に戻りたくなるんですよね……どうしたものでしょうか。