美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

タプカーラ交響曲

tower.jp

先日、うとうとしていると久しぶりにこの曲があたまのなかを流れてきました。

それで思い出し、久しぶりにiPodで聴いています。

タプカーラ交響曲の録音は複数種類あり、例えば芥川也寸志さんが新交響楽団を指揮したものでも、3種類あります。赤貧がはじめて聴いたのが、芥川さん晩年の1987年に収録されたものです。

赤貧が購入したころは、芥川さんが指揮している姿が表紙のCDでしたが、現在タワーレコードで販売されている再発売盤は、文字だけの表紙となっています。ちなみに赤貧はてっきり新盤だと思って買い求め、帰宅して気づいてがっかりしました。

このCDの旧盤が、はじめて伊福部さんの音楽を伊福部さんだと認識しながら買ったCDです。回りくどい言い方ですが、子供のころ初めて映画館で観たのが「メカゴジラの逆襲」でした。この映画の音楽監督が伊福部さんですので、認識する前から知っていたわけです。

その後、小学校の上映会で「原爆の子」が映写されたこともあります。これも伊福部さんが音楽担当でした。

下地があったせいもあるのか、すんなりと入れた気がします。

タプカーラ交響曲の録音は複数あれど、最初に聞いた1987年盤の印象がつよく、その後の録音は、どれも不満がありました。指揮者の解釈によって曲の相貌がことなる曲は、それだけ聞き比べる楽しみがあるということでもあり、期待すると痛い目にあう曲でもあるということです。

最近の演奏会の紹介

赤貧が実演で最後に聴いたのが、この1999年5月2日の新交響楽団九州公演のときのものです。アクロス福岡で、福岡市民オーケストラとの合同演奏会でした。前半、福岡市民オケの「幻想」のかったるさと、新響の「タプカーラ」のあまりの落差に唖然としました。指揮者が同じでこうも違うのかと思いましたが、実際のところ、新響は指揮者が誰であっても十八番の身体に染みついた音があり、それが鳴っていただけだったのです。帰宅してこのCDと聞き比べて気がついたとき、これほど曲への愛着があるのかと新響にメールで感謝を伝えました。

この1987年盤の良さは熱狂的な第三楽章だとネットでみかけますが、白眉はじつは第二楽章です。淡々として流されない美しさがあります。

いつになったら、こういう立派な演奏に再会できることやら……。どうしても伊福部音楽の土蛮っぽさや民族性を強調する演奏が多く、音が空間を削り取る厳しさはおざなりになりがちです。

生きていれば、どこかでそこが判っている演奏に巡り合えるでしょうか。