美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

さすが上野千鶴子。

headlines.yahoo.co.jpむかし、日本女子大を創設した成瀬仁蔵さんが、入学式の冒頭で「みなさんが時代をつくるのではない。時代が求めたからここに居るんだ」と言った話を読み、まったくもってそのとおりだと感じたことがあります。
社会に必要だから生きていられるわけで、その社会に無用のものとなれば、居場所はなくなります。むろん、社会といっても大小さまざまなグループがありますから、或るところでお払い箱でも、他では使ってもらえるということもあるでしょう。
ふとネットを見ていたところ、上野千鶴子さんの東大入学式での祝辞が話題となっています。ネットに全文が載っていたので読んでみました。以下、長いですが一部を引用します。
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(略)
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。
ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。
世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。
そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
(略)
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上野千鶴子さんの発言はどうもなじめないものも多いのですが、このくだりは掛け値なく素晴らしい。でも結局、これが判るようになるにはある程度の年齢が必要な気もする……。振り返ってみて、言える言葉なのかもしれません。