松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

トランプ大統領について書かれた本です。amazonでなかなか好評だったので買ってみました。
トランプがいかに大統領にふさわしくないかを書きたてた本として読むべきなのでしょうが、読んでみて感じたのは思ったよりトランプさんが策士だということです。
感想にあるとおり、民主主義の手続きがなんたるかわかっていない無知な点のエピソード満載で、作者もそれを強調しています。しかし、手続が完璧であってもオバマ政権時代にロケットマンとの会談までこぎつけなかったことを考えれば、型破りであることもまた時代が欲している手法だということがわかります。
冷静に見れば功罪ともにある存在なのでしょうが……。
ただ、こういうのを読んで思うのは、評論家は真面目すぎれば叩けるし、型破りであれば叩ける便利な存在だということです。他人の欠点をあげつらい批判して飯を食う商売だからしょうがないともいえるのですが、面白い本ほど、それでも悪く書けなかった部分をきちんと読む訓練が必要だとあらためて感じました。