美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

「地形からみた歴史」

地形からみた歴史 古代景観を復原する (講談社学術文庫)

地形からみた歴史 古代景観を復原する (講談社学術文庫)

 

考古学や地理学の入門書とでもいうべき本です。
赤貧の記憶にある範囲でも「地形が変わる」ことはたしかにありました。大雨や地震などの災害による崩落や川の法面崩れを見かけることはよくありましたし、都市計画で大規模に生まれ変わることもあります。
個人事務所を持ってから、香椎方面にいままでよりも多く顔をだすようになりました。
赤貧はむかし、香椎宮前駅のちかくにあったアパートで暮らしていたことがあります。すでにそのアパートはありません。赤貧がよくもやし炒めとラーメンを食っていた中華料理屋も見当たりません。散髪していた理髪店もありません。ぜんぶ、再開発で駐車場になりました。
休日の散歩コースにあった要塞のような代ゼミ福岡寮は、マンションに化けました。変わらないのは、香椎参道バス停がごった返していることと、バス停と踏切と鳥居と側道が至近距離のため、相変わらず渋滞して詰まっているところくらいでしょうか。セピア通りと名付けられた歩道は街路樹の成長に伴い舗装が波打ってしまっています。修繕すればよいと思うのですが、街路樹が太りすぎており、簡単にはいかないのでしょう。
人間が農耕をはじめて、大々的な環境破壊を行ったという記述は、「サピエンス全史」にも似たような記述があって、なかなか興味深く感じました。たしかに焼畑農業で動植物を焼き払って、そこを農地として使用する動物は人間だけです。
赤貧の家から車で数分のところにも遺跡があります。数百年後、赤貧の家がある一帯も、ああやって「発見」されたりするのかもしれません。
赤貧が実家に帰る途中でも、限界集落を超えて放棄地となった集落があります。パッと見は屋根があるのでわかりませんが、車をとめて近づいてみると、柱が折れて屋根の重みで家がつぶれていたりします。横倒れになっていないだけましとはいえ、構造物が自然に還ろうとしている姿は、なかなか感傷をさそいます。

本の感想ではなく、読んだ後に思ったことをつらつらと書いてしまいました。