美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

天照皇大神宮再訪

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23日、久山町猪野にある伊野皇大神宮を再訪しました。
17日に、香椎に用事があり、香椎宮に新しい御神札をいただきに行ったついでに、伊野皇大神宮まで足を伸ばしてみました。夕方近くで、夜に甘木であとの用事があったこともあり、めぼしい場所をぐるりと回って帰宅しました。
さすがに見足りなさを感じ、今度は午前中に行こうと日をあらためた次第です。

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「この規模の集落なのにまだそれなりの本数が走っている」と書いた猪野のバス発着所ですが、今年3月いっぱいで西鉄バスが撤退し、トリアスまでの運行となるそうです。今回はゆっくり地域を把握しようと蔵本から路線バスを利用してみたのですが、4月以降は直通はなくなります。
トリアスが地域の拠点になっているのはたしかなようです。天神・香椎方面から乗車してきたお客さんはあらかたトリアスで下車して、半分ほどになります。逆に、トリアスでもけっこう乗車してきますので、急にバス車内ががら空きになった印象はないのですが、収支的には厳しいのでしょう。

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前回の訪問でかなり学習しました。まず古宮跡を訪ねます。子供たちが3人遊んでいました。子供の遊んでいるところに踏み込むと警戒されますので、遠目で写真をとり、黙礼して退散します。

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鯉が泳いでいる側溝をすぎ、左手の里道へ。五十鈴橋のかかる直線の車道がありますが、一歩入ったこの里道のほうに昔ながらの地域の息づかいを感じます。

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水取宮跡が見えてきました。ぼろぼろの鳥居をくぐると、水取宮跡と五穀神が祀られている磐座が見えます。

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前回来たときは一つの巨岩かと思っていたのですが、巨岩の上に五穀神と彫られた石があり、岩に直接狛犬が乗っています。

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水取宮跡から五十鈴川(猪野川)のほうへ目を向けると、里道がさらにつづいています。思うところあってこの道を進むと、皇大神宮下にある売店の横に出ました。参道を横切り、五十鈴川から売店(千人館?)を撮影してみました。夏に子供が水遊びをしていそうな、なかなか心地よさそうな雰囲気があります。

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階段をあがると皇大神宮社務所と手水舎が見えてきました。手を洗い、社務所裏のトイレを借りてから、さきに進みます。

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拝殿に到着し、お賽銭をお供えして、ただ手を合わせます。

神宮といっても、内宮や外宮を模したものではなく、伊雑宮多賀宮などの別宮が基準だったのではないかと思います。ただ、本家の別宮には拝殿の壁も床もありません。土間です。

ある程度は通常の神社としての機能も期待されて、こういう折衷的な様式になったのではないかと思います。さすがに土間に正座はいくら真似すると言ってもつらかったのでしょう。拝殿の裏に控えるのは幣殿です。先週来たときは(社殿があって、さらにその裏に本殿?)と、この位置関係を理解できていませんでした。別宮を模したものという推理でアタマがかたまりすぎていたのです。

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幣殿である証拠に裏に回ると戸があります。この戸の裏には御簾がさがっており、鍵などなく手で開閉可能です(ギギギ、と戸が開くのを確認しました)。おそらく祈願などのときは、この戸を開けはなして本殿に向けてお祈りをしているのでしょう。神社の規模としては神宮の別宮を模しているのですが、ただの別宮の複写にしたくなかった心意気が、この細工を生み出したたのではないでしょうか。

なぜ本殿用地が前後にあるのか謎でしたが、拝殿(幣殿)を建て替えず、本殿だけ遷宮できるようにしたければ、この様式になります。なるほど、考えたものです。

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拝殿(幣殿)から石段がふたつあり、新しいほうをあがると本殿があります。神宮なのだから天照大神豊受大神なのかと思いましたが、どうも3柱あります。本殿の裏手に輿が3つありますので、天照大神豊受大神では数が合いません。もう1柱、誰か神様がお祀りされています。

帰路、途中の案内板を読み返して驚きました。(外宮の御祭神である)豊受大神はお祀りされていません。伊野天照皇大神宮と称するとおり、あくまでもここは内宮(皇大神宮)の御分霊が鎮座している神社なのです。では、左右をかためる神様たちは誰なのか、気になるところです。順当に考えれば案内板にあるとおり住吉三神と志賀三神なのですが、そうなるとここは天照大神ではなく神功皇后を祀る聖母宮(しょうもぐう)ではなかったのか?と疑惑も生じます。境内に七所神社があり、一般的には七人の神様を祀るところとされていますが、日田のほうには七所明神として応神天皇神功皇后の子)の皇子を祭神としているところもあります。こちらだとすると、いよいよ香椎宮との縁は、伝承以上に残っているといえそうです。

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本殿の裏に古神殿跡があります。ネットを見ていると、心霊的な感性のあるかたにとって相当な聖地扱いのようです。背後の社殿のほうが、神様にお鎮まりいただいている感じがしましたが、実際にはそうではないのかもしれません。

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古神殿跡と社殿をふるいほうの石段をつかって下り、脇を流れる川にふと目を留めます。石の間からの湧水は豊富で、これが社務所裏の滝となります。

先週は30分ほどしか時間がとれず、目につく範囲をおもむくままキョロキョロしただけでしたが、今回はたっぷり1時間は滞在することができました。ここに書けない、おそらくは地元のかただけがお参りするお堂などもしっかりと観察することができ、ここが九州の伊勢と呼ばれる理由もわからないことはない、と感じました。

「**の**」というのは、商売上の売り文句であって信用しないようにしているのですが、ここは「九州の伊勢」と呼ばれてもよい気がします。www.yamaguchi-daijingu.or.jp

九州・山口には、大内義興が公式に勅許でつくった神宮にまつわる神社がほかにもあります。

最後に伺ったのは大学時代でしたから20数年経ちます。津和野の帰りに立ち寄ったのだったか……。ふと思い出したので、機会があればこちらにも行ってみようと思います。

下関から山口まで車で走ったことはありませんが。バスとかあるのかな?