松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

正確性の追及が何故問題なのか。

この日弁連の見解でいくなら、「本人確認はいい加減でよい。そこまでの正確性は求められていない」ということになります。かりにその見解を日弁連が支持しないのなら、支給日に担当ケースワーカーは有給休暇をとれません。実際には労働者としての権利は考慮しないと言っているわけです。複数人担当ケースを充てられる運営をしている地公体なんてあるのでしょうか。
不正受給対策と生活保護事務に充てられる人員を比較検討して、写真付きの身分証明書を持っていなければ顔写真撮影という手段を選択するのは、地公体の判断であり、嫌ならその地公体から移住すればよいだけのことです。
人員が割けないなかでの正確性の追求に対して、おそらくなにかこの地公体との関係に含みがある新聞社と日弁連の言いがかりにしかみえないのですが。
ただ、顔写真撮影がダメならなにか身分証明書をとらせりゃいい、という方向で検討はしてほしくないと思います。
マイナンバーカードは初回無料ですが、再発行はたしか1、000円とられます。デジカメで顔写真を撮影して台紙に貼ったところで、かかる経費はたかがしれています。新聞社の言いがかりで申請者個人の負担増になるようなことにはなってほしくありません。どちらかと言えば、そちらのほうが気がかりです。
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https://www.asahi.com/articles/ASM2M5D0PM2MONFB00V.html
 三重県鈴鹿市生活保護の申請を受け付ける際、一部の申請者の顔写真を撮っていたことがわかった。写真は台帳に張りつけて保管しており、窓口で保護費を現金支給する際に本人確認に利用したと説明している。市は「撮影自体は違法とは認識していないが、撮影以外の方法も検討していきたい」としている。
 鈴鹿市によると、写真撮影は受給者が増えて担当者が直接対応するのが難しくなったことなどを受け、2009年12月に始めた。顔写真つきの身分証明書を持たない場合や、身分証明書があっても顔写真と実際の容姿が著しく異なると市側が判断した場合、申請者本人の同意を得た上で撮影していたという。
(略)
日本弁護士連合会の貧困問題対策本部事務局次長で、生活保護に詳しい森弘典弁護士(愛知県弁護士会)は「身元確認のために、申請者の写真撮影をするというのは聞いたことがない。不正受給を前提にした対応で、写真を撮る合理的な必要性がなく、人権的にも問題がある」と指摘している。
(略)
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