松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

「あなたには帰る家がある」

久しぶりに山本文緒さんの「あなたには帰る家がある」を読み返してみました。ドラマ化もされた作品なので、あらすじはgoogle先生に訊いてもらえばすぐに出てくると思います。
個人的に思うのは、とにかく人物描写の細かさとしつこさです。
作者が40歳でうつ病を発症したのも、これだけの書き分けをしていればさもありなん、という気がします。
ただ、最後のほうで浮気相手が狂気じみた行動をとる場面は、小説というよりはテレビドラマ的な俗っぽさがでている気もするし、用意された伏線が消化しきれてないような気もするしで……。読み終えたあと、ここで終わるの?と思ってしまいました。