美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

白坂越えの怪

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所用で白坂越えを夜に通行しました。
 
まだ前の仕事場にいたころ、深夜にここを通過したことがありました。そのとき、ふと前に白いものが2,3体あるのに気付きました。最初は鹿や猪かとおもったのですが、そのわりには背が高い。車を停めてじっと見ていると、どうやらお遍路さんのようです。しかしそれにしても垢じみているというか、茶色の汚れがひどいお遍路姿で、いったい何日着替えていないのかわからない感じでした。
(こんな夜中に人騒がせな……)と思いつつ、最後のひとりが道を横断するのを待ちます。不思議なことに、ヘッドライトのほうに誰も見向きもしません。車が怖くないのでしょうか。

みな、下を向いてするすると歩いていきます。
そこで気づきました。ふつうの人間であれば、歩けば頭が動きます。この人たちは、歩いているふうで、じつは歩いていないのです。ただ動いている。
怖くなり、その場を離れようとアクセルを踏んで一気に走りだしました。気づいたら、すでに秋月を過ぎ、386号バイパスのあたりまで来ていました。
 
あれは未知との遭遇だったのかもしれません。
 
急にぞくっとしてブレーキを踏み、むかしこの辺りでそういうことがあったな、と思いつつ、写真を一枚とってみました。