- 作者: 土山しげる,久保田千太郎
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: Kindle版
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この久保田&土山版の忠臣蔵は、良質な塩田を経営していた赤穂藩を、吉良が柳沢に献じようと画策し、それがもとで揉め、刃傷におよんだという説を採用しています。赤穂の塩田技術そのものは、西日本一帯だけでなく、仙台藩などの技術者受入を行っており、早くからオープンでした。それが出来るのも、結局は技術だけでは地の利を超えられない自信があったからです。縄文時代だったか弥生時代だったか記憶は定かではありませんが、赤穂から製塩の痕跡がでています。
中間管理職が手土産に部下に無理難題を押し付け、部下と揉め事になり、それに気づいた上役が中間管理職を切って知らぬ存ぜぬという構図に持って行くことで、異常なほど話はすっきりとしています。
ただ、塩田経営で吉良と浅野に確執があったとする意見は、吉良(饗庭塩)と浅野(赤穂塩)の販路が異なることから、現在では理由として薄いとされています。
しかし、話の展開の判りやすさもあって、ほんとうにそうであったのかもしれない、とすら思える構成には、脱帽せざるをえません。