松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

原爆 私たちはなにも知らなかった

 

原爆 私たちは何も知らなかった (新潮新書)

原爆 私たちは何も知らなかった (新潮新書)

 

 原爆投下の経緯について整理しまとめた作品で、どのような経緯で原爆投下が決定したのかのプロセスを理解できます。ソ連への威嚇として日本に原爆を使用する決定がなされ、そして、「ジャップはけだもの」と蔑視していたトルーマンと、その意を忖度して動く代理人により、投下地点の選定がなされていく過程が、中高生でも読める筆致で書かれています。
シン・ゴジラで国連決議で東京から住民を疎開させ、水爆攻撃することを決め、官僚と政治家が驚き、悔しがる場面がありました。自らが助かるためには、極東の島国はしょせん他人事という描写は、妙に原爆投下決定とダブります。
読みながら、ふとあの映画を思い出してしまいました。