美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

御焼香を買う

特撰薫園二種香 30g

特撰薫園二種香 30g

 

 もともと御焼香というものは、ひとつまみを炭のうえにくべ、立ち上る煙と香りで仏を天国に導くものです。寺社がモクモクと煙をたてるようにするのはそのためで、無煙線香では役に立ちません。ただ、そうはいっても密閉性のたかい鉄筋コンクリートの住まいで煙い線香や御焼香を使うと匂いがとれませんから、次第に無煙・無臭が好まれるようになってきました。べつにお経をあげたりするわけでもありませんし、日々、故人をしのんで習慣として手をあわせているだけなら、それでもよいかという気がします。真面目にお経をあげているひとが無煙線香なんか使っていたら、根っこが判ってないので笑うしかありませんが。
赤貧は、値上がりした香木のかわりに、御焼香を空薫しています。煙と香りにのせて成仏してもらうためではありませんから、ほんの少量で充分です。1箱あれば、1年以上はもちます。
ときおりamazonを確認すると、2~3割引きとなっていることがあります。おそらく、消費期限が設定されており、設定された期限が来たら、自動的に値下がりするようになっているのでしょう。これは固形墨や筆にもいえることで、ひどいときは7~8割引きで買えることもありました。amazonで3割引きになっていたので、ひとつ注文しました。
通常、御焼香は高いものほど多くの香料をブレンドして調製されています。このシリーズは、高いものほどブレンドする香料の種類が減るというかわった挑戦をしています。この「二種香」は白檀と沈香のみをブレンドしたもので、空薫すると明るい香りがします。この香りは、このメーカーの高級な線香などにも共通するもので、このメーカーの基調ともいえるものです。他のメーカーは、高いものほど重く厳かな香りになるよう調製するのですが、このメーカーは複数の香料をもちいて華やかさを引き立てる方向へ調製します。
おそらく、白檀や沈香そのものは、複数の産地のものをブレンドしているのではないでしょうか。こくのある香りと、辛めの香りのいずれかに偏らず、じっくりと聞かせる香りがします。高いわりにすぐ鼻につく、ぱっと華やぐものがないため、安い商品よりも香りは地味目に思えるかもしれませんが、ベースはしっかりとしています。ただ、実際の葬式でこれだけの香りがしたところで、参列する側にわかるひとがどれだけいるかは、謎ですが。
葬式場のように、ほぼ毎日なんらかの葬式をしているところは、日ごろ使っている御焼香の香りが染みついています。ああいうところで使うには、もったいない気がします。